第五百四十二話
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第五百四十二話 散歩には
二人でタロの散歩に行こうとする。すると。
そこにライゾウが来て二人に笑って言ってきた。
「ご主人達おいらも連れて行ってくれよ」
「あんたも来るの?」
「最近運動不足でまた太ったんだよ」
見れば確かに普段よりもさらに太っている。ライゾウはまごうかたなきデブ猫だがその度合いがさらに太くなっている。
それでこう華奈子達に言ってきたのだ。
「それじゃあ頼むな」
「というかあんた食べ過ぎでしょ」
「まあそこは言わない約束でさ」
ライゾウは後ろ足で立って右の前足を人間の手の様に動かしながらが自分の主である華奈子に対して返す。
「それじゃあ今からな」
「別にいいけれどね。じゃあ行きましょう」
「あっ、お待ち下さい」
「我々もお供をさせて下さい」
タミーノとフィガロ、美奈子の使い魔達も出て来た。
「ご主人様が行かれるのなら」
「是非共」
「朝早いけれどいいのね」
「使い魔の時間が主の時間です」
「何の問題もありません」
これが二人の返事だった。
「では今から」
「朝の散策に出ましょう」
「まあ。ちょっとしたウォーミングアップね」
華奈子も笑顔で言う。そして。
タロのところに行くとタロもタロでこう言うのだった。
「まさかご主人が朝早いなんて」
「って最近朝ずっと走ってるじゃない」
「いや、朝はいつもお母さんかお父さんが散歩に連れて行ってくれるからね」
それで意外に思っているというのだ。実際に華奈子にしてもこの前まで朝はどちらかというと弱い方だったのだ。
そうした事情も理解して華奈子は言った。
「そういうことね」
「うん、そういうことだから」
「まあ夕方いつも行ってるからいいわよね」
「ただ意外に思っただけだからいいよ」
「わかったわ。それじゃあね」
華奈子も気にしないことにした。そのうえで美奈子に再び顔を向けて言った。
「じゃあ。皆でお散歩してね」
「それで身体をさらにほぐして温かくして」
「そうしていきましょう。いいわね」
「ええ。それでマラソンね」
「明るくいくわよ」
これは何につけてもだった。こうした話をして。
二人と四匹は外に散歩に出た。それが終わって手を洗う時に。
美奈子は洗った己の手を拭いている華奈子にこう言った。
「じゃあ御飯食べて」
「万全の調子でいけるわよね、これで」
「ええ、完全にね」
「じゃあいいわね」
「ええ」
こう言って行く二人だった。遂に学校に行くのだった。
第五百四十二話 完
2012・11・14
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