第五百三十三話
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第五百三十三話 息の仕方
美奈子はマラソンに備えて走る中で春奈にこんなことを言われた。
「息の仕方なのね」
「そうなの。走る時に大事なのはね」
「そういえば春奈ちゃんって」
ここで美奈子もあることを思い出した。
「走るのは結構」
「自分でも速いと思うわ」
春奈自身もこう答える。
「特に長距離はね」
「マラソンでもいいタイム出すわよね」
「華奈子ちゃんには負けるけれどね」
華奈子は別格だった。瞬発力や運動神経だけでなく持久力についてもかなり高いのが華奈子だからだ。
「それでもね」
「速いわよね」
「運動にはあまり自信がないけれど」
それでもだというのだ。
「長距離はね」
「そうなの。息の仕方を考えてるから」
「どうすればいいの?」
「自分のペースを守って一定でね」
春奈は美奈子に長距離を走る時の息の仕方を具体的に話した。
「二回吸って二回吐いて」
「それの繰り返しなのね」
「うん、そうなの」
こう具体的に話す。
「そうしていくことが大事なの」
「体力だけじゃないのね」
「そうなの。自分のペースを守ることなの」
春奈はいつもの温和な笑みで美奈子に話していく。30
「短距離なら一気だけれど」
「長距離の場合は」
「長いから本当に息の仕方を整えないとね」
「酸素を吸って二酸化炭素を吐き出して」
「そう、それ」
春奈は美奈子の今の言葉に身を乗り出さんばかりに告げた。
「それなのよ。酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す」
「それを一定にして」
「リズムなのよ」
ここでこの言葉も出した。
「要するにね」
「リズムって言われたら」
美奈子もこの言葉に反応して言う。
「何となくだけれど」
「わかるわよね」
「リズムよく呼吸をしていく」
美奈子もにこりとなって述べる。
「そういうことなのね」
「うん、そうしてね」
春奈も笑顔で答える。美奈子はマラソンで一つ大事なことを教えてもらった。
第五百三十三話 完
2012・10・17
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