第五百十二話
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第五百十二話 ギターやベースだと
ドラムを少し叩いてからだ。赤音は梨花と美樹に言った。
「レクイエムどうかな」
「それをアレンジするの?」
「そう考えてるの?」
「すこしね」
そうだとだ。赤音は梨花と美樹に答える。
「どうかしら」
「けれど何かこの曲って」
「そうよね。楽譜を読むと」
どうかとだ。梨花と美樹が話す。
「おどろおどろしくない?」
「私もそう思うけれど」
「ううん。だからなの」
赤音は二人に言われて考える顔になった。
そのうえでだ。まだ思考は残っているがそれでも真面目な顔になってその上で赤音に対して述べたのである。
「止めた方がいいわね」
「流石にここまで難しいと」
「ううん、チャレンジしてみない?」
赤音の言葉に希望が宿る。
「しかしだけね」
「ううん、どうかしら」
「やっぱり怖い曲になるわよ」
梨花と美樹がまた言う。
『それでお言いのならお願いするけれど」
「それでいいのね」
「私がやってみるわね」
ここでも自分から動きたがる赤音だった。
「それじゃね」
「仕方ないわね。それではこちらはね」
「協力するわね」
「及ばずながらになっても」
「それでも」
「有り難う。私頑張るね」34
赤音は笑顔で頷いた。そしてだ。
自分で書く道具を出してきた。しかしここでこうも言うのだった。
「こんなに勉強したのはね」
「はじめてなのね」
「うん、そうなのよね」
こう美樹にも答える。
「実はね」
「けれど赤音ちゃん成績いい方だから」
「勉強してないとは思えないけれど」
「けれど努力してないの」
そうだと言う赤音だった。
「自分ではそう思うかしら」
「そうかしら」
「そうは思えないけれど」
こうした話もしながらだ。赤音達もモーツァルトの音楽を観ながら考えていた。アレンジはもうはじまっていた。
第五百十二話 完
2012・8・3
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