第六話 必要に迫られケータイ購入
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ンに近く、カタログ前面に押し出しては居ないものの、カーボン製と同じ処理速度を実現していた。液晶画面の傷防止性能もカーボン製のものと同じ仕様のようだ。
ボタンに関して見やすいのはカーボン製のほうだが、暗い場所での扱いやすさはチタン製のほうに分がありそうに見える。そんな感じで色々と見比べて、更に展示されている現物でボタンの押し具合などを確認、最終的に連絡用のケータイをチタン製のものに決めたのである。
「それじゃ、俺が契約してくるからお前さんは自分のケータイをじっくり選ぶといいぜい」
そういい残して土御門さんは契約カウンターへと向かっていった。
俺は2冊のカタログをテーブルの隅に置くと、自分の持ってきた4冊のカタログを並べる。性能や機能面にそれほど特色があるわけでもなく、暗部用に選んだ機種と比べてもそれほど高性能で多機能といった感じは受けない。カタログだけでは4機種の中から絞り込むことが出来なかったので、実際に操作して見ようと思い現物が並べてあるコーナーへと向かった。
実際に触ってみるとボタンの押し具合やメニュー画面の構成など、4機種それぞれに個性があり、その中で一つだけ俺の好みに合うものを見つけた。ボタンがカチッカチッと入った感覚の分かるもので、なおかつメニューの構成も感覚的に掴みやすいものだった。
席に戻ってカタログでカラーバリエーションの確認をしていると、土御門さんが戻ってきて紙袋をテーブルに置いた。
「これがお前さんの連絡用ケータイだにゃー。一つ言っておくと、こいつの通話は全て聞かれてると思ってたほうがいいぜい」
後半部分は小声で土御門さんが教えてくれた。まぁ、その辺のところは俺も当然知っている。
「ありがとうございます。やっぱりそうなんですね」
俺も後半部分は小声で答えた。それを聞いた土御門さんは少しだけニヤリと表情を変えた。恐らく土御門さんは、俺が裏の世界というものをある程度経験したことがある、ということを察してくれたのだろう。
「それで、お前さんのケータイは決まったのかにゃー?」
「ええ、さっき決めて今どの色にしようか考えてたところです」
俺が決めた機種のカラーバリエーションは、白、シルバー、黒、赤、黄色と5色しかなく、俺の考えてた色からすると黒しか選択肢が残っていない。しかしその黒は、漆塗りの色というかピアノの色というか鏡面処理してあるというか、指紋とかが目立ちそうな色なのである。しかし、それ以外の色は特に鏡面処理されたような感じがなく、特に赤や黄色などはカタログで見る限り安っぽいプラスチックの色みたいに見える。展示されていたケータイは白だったので実際に見ているのだが、安っぽくはないけどプラスチックっぽい白だった。
「鏡面処理されてない黒とかないのか
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