第四百九十二話
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第四百九十二話 フルートとサックス
華奈子は家の自分達の部屋にいたままだ。その中で一緒にいる美奈子にこんなことを言ったのである。その言葉は笑顔で出されたものだった。
「あの、フルートだけれど」
「フルートがどうしたの?」
「あたしもやってみていい?」
「あれっ、フルートに興味持ったの?」
「ちょっとね」
実際にそうだと答える華奈子だった。
「それでだけれど」
「うん、じゃあ早速吹いてみる?」
「美奈子もサックスやってみる?」
「じゃあね」
美奈子も美奈子でだ。華奈子の申し出を受けてだ。
そのうえで華奈子の差し出したサックスを受け取った。華奈子も美奈子のサックスを受け取ってそのうえでお互いに吹いてみる。するとだ。
美奈子は目を丸くさせてこう華奈子に言ったのである。
「華奈子サックスは」
「完全に素人よ」
「それでその腕なの」
「美奈子もよ」
華奈子もだ。サックスを吹いてみた美奈子に言う。
「凄いわよ」
「凄いって。そんなに?」
「ええ。あんたサックスもいけるわね」
「同じ吹くものだからかしら」
美奈子は自分ではこう考えて述べたのだった。
「それで私もサックスがね」
「できるっていうのね」
「そうなのかしら」
「で、あたしもなの」
華奈子も華奈子で言う。
「フルートもできるのね」
「あたしこれまでクラシック関係興味なかったのよ」
「けれど縦笛前から得意だったわよね」
「美奈子もね。ということは」
二人共笛は得意なのだ。それでだった。
「あたし達って元々笛は得意なのね」
「そうよね。それこそどちらもね
「音楽はいつも満点だから」
「だからフルートでもサックスでも」
それこそだ。どちらでもだというのだ。
「できるのね」
「そうみたいね」
こう二人で話す。そしてだ。
今度は二人の下の笛を吹く。今度はこう言い合った。
「やっぱり。こっちの方がお互いしっくりいくけれど」
「お互いの楽器を使ってもね」
「そうね。いけるわよね」
「結構ね」
そのこともわかった二人だった。お互いにフルートもサックスもいけるとわかったのだ。
第四百九十二話 完
2012・5・16
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