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対決!!天本博士対クラウン
第四百九十一話

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                   第四百九十一話  舞台を観ると
 四匹は先生を探す。しかしだった。
 タミーノがふとだ。舞台を観て他の三匹に言った。
「あの」
「何か」
「はい、舞台ですが」
 まずは相棒のフィガロに言ったのである。
「御覧になって下さい」
「むっ、これは」
「いいですね」
「はい、これまではただ観ているだけでしたが」
 どちらかというと今日子先生達を探していたのだ。だが、だった。
 その舞台を見てみるとだ。かなりのものだった。それでタミーノもフィガロもその舞台に注目したのだ。タミーノはタロとライゾウにも言った。
「舞台を観て下さい」
「舞台!?」
「舞台だって?」
「はい、御覧になられて下さい」
 こう二匹にも言うとだ。彼等はその舞台に目をやった。そのうえでこう言うのだった。
「この舞台は」
「いいよな、かなり」
「うん、僕はオペラはよくわからないけれど」
「おいらもだよ」
 だがそれでもだというのだ。
「この音楽も演技も」
「舞台の設定もいいよな」
「うん、衣装もね」
「演奏もいいよな」
「はい、今日の舞台はかなりのものです」
 タミーノはこうそのタロとライゾウに話す。
「ですからこの舞台をです」
「楽しめばいいのかな」
「ここは」
「はい、そうされてはどうでしょうか」
「けれど今日子先生を探さないと」
「まだ見つかってないしな」
「いえ、今日子先生もまた舞台を観ておられるのですから」
 それ故にだとだ。タミーノは言うのだった。
「ですから今はです」
「観ていいんだね、オペラを」
「そっちに専念しろってんだな」
「芸術鑑賞も大事です」
 また言うタミーノだった。
「ではそれでいいですね」
「うん、それじゃあ」
「今はな」
 二匹も頷いてだ。そのうえでだ。舞台を観て言うのだった。
「確かに。こうして観るのもね」
「今はいいよな」
 こう言ってだ。四匹は今は舞台を観るのだった。
 そのオペラの舞台は確かにいいものだった。四匹は芸術に専念する道を選んだのだ。


第四百九十一話   完


                        2012・5・16
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