神の依る少女の憂鬱
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察に通報し、救急車が呼ばれましたが、病院に搬送後、死亡が確認されました』
『死亡した人物は地元の中学生三年生、八意紅龍くん。生き物は巨大な銀色の狼でした。八意紅龍君は右腕がなくなっていましたが、右腕は銀狼の口の中から発見されました。また、彼は地元ではハンターとして、弓道、剣道、アーチェリー、フェンシング、空手などで全国優勝をしたことのある人物でした。警察では、なぜ人よりも巨大な狼が存在しているのか。また、日本になぜ狼がいるのかといった事柄のほかに、目撃者を探しています』
『また、もう一人なくなった人物がいますが、骨の一部分を除いて噛み砕かれており、身元が不明となっています』
テレビでは先ほどからこのようなものが流れている。
どこの局でも同じことを。違った言い方で放送している。
『コメンテーターの石見さん、今回のこの事件についてどう思われますか?』
快活そうなテレビの司会者が、髭面のおじさんにコメントを求める。
嫌だ聴きたくない。
なぜか彼女にはそう思えた。直感のようなものだったのかもしれない。
『そうですねぇ・・・・・・・、なぜ彼は中学生というのにハンターとして生きていたのかというのも気になる方も多いかと思いますが、彼にはどうやら両親がいなかったようです。そして生きるためにハンターになったと。にしても物騒なものですね。中学生という多感な時期だというのにナイフや警棒のようなもの、弓で武装していたというじゃないですか。これまでよく死人が出なかったと思いますよ』
あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
これか、これが聞きたくなかったんだ。
そう気づいたときにはもう遅かった彼女の目からは涙が流れ、頬をつたっていた。
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