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対決!!天本博士対クラウン
第四十八話

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                   第四十八話  取調べ
 一方拘束された小田切君は警察の取り調べに遭っていた。周りをグルリと囲まれて。
「さて」
 その中で刑事が彼に対して言うのだった。
「聞きたいことはわかっているな」
「ええ」
 憮然としてその問いに答えるのだった。
「博士のことですね」
「その通り」tえ
 それしかない。有り得なかった。
「今度は何をするつもりなんだ?」
「何なら本人に聞いてみます?」
 取調べでは有り得ない言葉であった。
「よかったら」
「本人っておい」
 これに別の刑事が突っ込みを入れた。
「それができたら苦労は」
「できますけれど」
 小田切君はそれに応えて携帯を出してきたのだった。
「これで」
「しかしだ」
 前にいる刑事がその携帯を見て言う。
「今博士は宇宙にいるのだな」
「そうですよ」
 平然とした様子で言葉を返した。
「正直に申し上げますとその通りで」
「それでどうして」
 電波が通る、どんな携帯なんだと言いたかったのだ。
「まあ博士の作ったものですから」
「そうか」
 それだけで充分であった。
「そこんとこは御心配なく」
「わかった。それでは」
 おもむろに携帯を取り出す。そして。
「博士か?」
 そのまま直接容疑者に話を聞くのだった。凄い取り調べになっていた。
「何じゃ?」
 しかも容疑者が堂々と電話に出る。これまた有り得ない。
「これから平壌に行って暴れてくる。待っておれ」
「・・・・・・だそうです」
 横から小田切君が言う。これで終わりであった。
「もう取り調べは終わりですか?」
「ああ」
「警察の仕事は終わった」
 無責任にも強引に終わらせた。後であの独裁国家がどうなろうとそんなことは日本の警察の知ったことではないからだ。マッドサイエンティストのやることだ。
「では」
「はい」
 小田切君は刑事の声に応える。
「これで終わりだ」
「わかりました」
 こうして小田切君は解放された。彼はそのまますぐに遊園地に戻るのだった。驚く程早い取調べであった。


第四十八話   完



                  2007・9・26
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