第四百六十七話
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第四百六十七話 今日子先生の服
その今日子先生の服を見てだ。ライゾウがタロに言った。
「旦那、どう思う?」
「どう思うって?」
「だから先生の今の服だよ」
怪訝な顔になってだ。ライゾウはタロに問うていた。
「あれどう思うよ」
「そうだね。何かね」
「凄いよな」
「あれじゃあ何か」
「お姫様だよ」
こうまで言うライゾウだった。
「あの先生の色のドレスでな」
「しかもあの生地ってさ」
「ああ、絹だよ」
銀色のシルクのドレスを着て外に出ているのだ。目立つどころではない。そして今日子先生はその目立って仕方のない格好で平然と外を歩いているのだ。
その先生を見ながらだ。ライゾウはタロに問うのである。
「絹って普通はな」
「外には着ていかないよね」
「ああ、あれは舞踏会に着ていく服だろ」
まさにそれだと言うライゾウだった。
「あれはな」
「今日子先生に自覚はないみたいだけれど」
「それがおかしいんだよ」
ライゾウはこう断言した。
「その方がな」
「あの先生自覚ないよね」
「絶対にないな」
断言するライゾウだった。
「どう見てもな」
「あれがあの先生の普通なのかな」
「外出でここぞっていう時はあの服なんじゃないのか?」
ライゾウは首を捻りながら言った。
「だからああした格好で出て行くんだろ」
「ううん、それだったらさ」
ライゾウの話を聞いたうえでだ。タロはだ。
今度は彼が首を傾げさせてだ。こう言ったのだった。
「相手は誰かな。一人で行くんだったら」
「あそこまで凄い勝負服じゃないよな」
今日子先生の基準でそれだと言うライゾウだった。
「どう考えてもな」
「確かに。じゃあやっぱり」
「デートだろ」
ライゾウは遂にこの予想を口に出した。
「それだよ、それ」
「つまり先生に彼氏がいるんだ」
「あれだけ奇麗な先生だからな。やっぱりな」
「いても不思議じゃないってことだね」
「というか今までいない方が不思議だったんだよ」
そうした影がないということがだというのだ。ライゾウは先生が美人だと認識したうえでだ。実際はこれまでも彼氏やそうした相手がいたというのである。
そうしてだった。彼はタロにだ。さらにはこう言うのだった。
第四百六十七話 完
2012・2・19
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