第四百六十三話
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第四百六十三話 今日子先生に対して
日曜日にだ。今日子先生はお洒落をして外に出ようとしていた。その今日子先生にだ。
今田先生は携帯で連絡を入れた。そして今日子先生に尋ねたのである。
「今からなの?」
「そう、今からなの」
まさにそうだと答える今日子先生だった。その銀の携帯を手にして。
「今から行くから」
「わかったわ。それじゃあね」
今田先生も今日子先生の言葉を受けてだ。そうしてだった。笑みになっていることがわかる声でだ。今日子先生に対してこう言ってきたのだった。
「今日子ちゃん今日はどういう格好なの?」
「今の私の格好?」
「そう。どういう格好なの?」
「白よ」
「白?」
「そう。下は白のフレアースカートでね」
所謂ロングスカートだというのだ。
「上は白のブラウスに黒いベストに」
「他には?」
「白のコートよ」
「黒入れたの?」
「白だけじゃ何かインパクト弱いと思って」
それでだ。ベストを黒にしたというのだ。その他にはだった。
「靴もね。ヒールだけれど」
「それもなの」
「そう、黒にしたの」
「バッグは?」
「バッグは白よ」
持ちものはそれにしているというのだ。
「白と黒。どうかしら」
「いいと思うわ」
また電話の向こうで微笑んで答える今田先生だった。そしてだった。
その話をしてだった。今日子先生は笑顔で電話を切ってそれをコートのポケットに収めてだ。そうしてだった。
家から出る。その先生を見てだ。
ライゾウがだ。仲間達に言った。
「見たよな」
「うん、凄いお洒落してるね」
そのライゾウにタロが応える。彼等とタミーノ、フィガロは物陰から今日子先生を見ている。そしてそのうえでだ。彼等だけで今日子先生のことを話しているのだ。
その中でだ。タロは言う。
「髪型だってね。普段と違うよね」
「はい、奇麗なにストレートでまとめていますね」
「御自身でセットされてますね」
「あそこまで奇麗にセットしてるのは」
どうかと。タロは言う。
「やっぱりあれかな」
「デートだな」
ライゾウは確信する顔で言った。
「これはな」
「そうみたいだね」
他の三匹もライゾウの言葉に応える。そうして今日子先生の尾行に入るのだった。
第四百六十三話 完
2012・2・6
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