第四百五十七話
[8]前話 [2]次話
第四百五十七話 今日子先生の恋人
急にだ。今日子先生がだった。
今も屋敷で一緒にお茶を飲んでいる今田先生にだ。こんなことを言って来た。
「実は私ね」
「どうしたの?」
「好きな人ができたの」
「あら、そうなの」
そう言われてもだ。今田先生はだ。
特に驚くことなくだ。こう返したのだった。
そしてだ。今日子先生に言ったのだった。
「男の人なの?女の人なの?」
「女の人なの」
いきなりの同性愛発言だった。今日子先生は実に素っ気無い。
本当に何でもない調子でだ。今田先生に言った。そして今田先生もだ。そう聞いてもやはり動じることなくだ。お茶菓子であるアーモンドクッキーを食べながらまた言った。
「よかったわね、今日子ちゃん。好きな人ができて」
「うん。私もそう思うわ」
「それじゃあその人と何時かは」
「デートしたいと思ってるの」
ここでやっとだった。今日子先生は。
顔を赤らめさせて気恥ずかしそうになってだ。それでだった。
「その人と」
「そうなの。じゃあその時は」
「どんな服がいいかしら」
「奇麗な服がいいと思うわ」
デートの時の一張羅の話になる。それはどういったものがいいかとだ。
今田先生は笑顔で話したのだった。
「今日子ちゃんドレス持ってるわよね」
「ええ、何着かね」
「じゃあそのうちの一着をね」
着ていけばいいというのだ。そしてだった。
今田先生はさらに今日子先生へのアドバイスをするのだった。
「アクセサリーもね」
「アクセサリーもなのね」
「それもちゃんとしないとね」
こうアドバイスをしてだった。そうしてだ。
こんなこともだ。今日子先生に話したのだった。
「今日子ちゃんの色を考えてね」
「私の色をなの」
「そう。今日子ちゃんは銀色の法衣だから」
それがそのまま今日子先生のイメージカラーになっていた。魔女は法衣の色が本人のイメージカラーにもなるのだ。そして個性をそのまま表現したものにもなるのだ。
それでだ。今田先生も今話すのだった。
「銀色。それかね」
「その他の色も?」
「白もいいと思うから」
そうした色でアクセサリーも整えるべきだというのだ。
「だから。色はよくね」
「じゃあドレスもよね」
「そう、それで考えていって」
今田先生は今日子先生に親密にアドバイスをする。これがまた新たな話のはじまりになる。今日子先生の恋の相手が誰かという話にも。
第四百五十七話 完
2012・1・18
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ