第四百五十三話
[8]前話 [2]次話
第四百五十三話 本当は寂しがり
ふとだ。美樹は家でだ。使い魔のビルガーとファルケンにこんなことを言った。
「何かこうしているとね」
「んっ、御主人どうしたの?」
「何かあったんですか?」
「今お家にいるの私達だけだから」
それでだとだ。自分の部屋で本を読みながら使い魔達に言うのだった。
「少し寂しいわね」
「僕達がいても」
「それでもなんですか」
「貴方達がいてくれてね」
そのことについてはこう返す美樹だった。
微笑んでだ。それで言ったのである。
「確かに寂しくないけれど」
「ああ、お父さんやお母さんがいないからだね」
「それに信也君も」
「お父さんはお仕事だし」
それで家にいない。さらにだった。
美樹は寂しい顔でだ。残る二人の家族のことを話したのだった。
「お母さんは信也と一緒にスイミングスクールに行ってるから」
「だから家にいるのは僕達だけだから」
「寂しいのですか」
「一人と二匹だけじゃね」
どうかと。美樹は寂しい笑みで述べる。
「寂しいわよね。やっぱり」
「けれど一人じゃないよ」
「私達がいますから」
「そう、それでかなり助かってるわ」
ビルガーとファルケンの存在は美樹にとってはただ使い魔であるというだけではなかった。彼女にとってはかけがえのない友達でもあるのだ。
その二匹の友達にだ。美樹は言うのだった。
「一人だとどうなっていたのか」
「寂しくて嫌になってた?」
「そうなのですか」
「寂しいのは苦手なの」
そしてこう言ったのだった。
「少しでもね」
「じゃあさ。今はさ」
「私達がずっと一緒にいますから」
「もっと寂しくならない様にしよう」
「そうしましょうか」
「そうね。何かして遊んでね」
それでだと。美樹も応えてだ。
「退屈紛らわせましょう」
「本を読むよりその方がいいからね」
「では今から何かしましょう」
「おはじきにトランプに」
美樹は実際にそうしたものを出してだった。
遊びはじめた。ビルガーとファルケンも一緒にしていく。
「他にも一杯あるからね」
「楽しみましょう」
こうしてだ。彼等も加わってだ。一人と二匹で楽しむのだった。
第四百五十三話 完
2012・1・4
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ