第四百四十九話
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第四百四十九話 春奈の眼鏡
春奈はいつも眼鏡をしている。その眼鏡についてだ。
彼女の使い魔であるイーとリャンはだ。急にこんなことを言ったのである。
「御主人様の眼鏡ですけれど」
「何かこだわりがあるんですか?」
「こだわりって?」
見れば彼女の眼鏡は丸くて大きい。それに縁がない。
その細い眼鏡が愛用品だ。その眼鏡についてだ。イーとリャンは指摘するのだった。
「いつもその眼鏡ですけれど」
「その眼鏡についてこだわりとかは」
「ううんと、ないけれど」
特にないとだ。春奈はこう二匹に答えた。
そしてだ。二匹にこんなことも言ったのである。
「別にね」
「そうなんですか。じゃあその眼鏡にされているのも」
「特になんですね」
「そう。ただ今のこの眼鏡はね」
その縁のない丸眼鏡についてだ。話す春奈だった。
「気に入ってはいるわ」
「御気に入りなんですね」
「お好きなことはお好きなんですか」
「軽いから」
それでだというのだ。好きな理由はだ。
「眼鏡って結構耳の上のところ圧迫するから」
「それで痛くなるんですね」
「実は」
「そう。眼鏡って結構難しいのよ」
眼鏡を外して苦笑いにもなる。その眼鏡を外した顔は。
これまた中々可愛いものだった。眼鏡をしていても目は奇麗だがかけていなくともその目の奇麗さは変わらない。その彼女がだ。イーとリャンに話したのである。
「重くならない様にね」
「そこが重要なのですか」
「デザイン以上に」
「デザインも大事だけれど」
このことは春奈もわかっていた。しかしだ。
それでもだとだ。彼女は二匹に言うのだった。
「使いやすさとかが大事だから」
「ううん、本当に眼鏡は難しいですね」
「その辺りを考えないと苦労するんですね」
「私達眼鏡はかけないからわからないですけれど」
「御主人様にとっては難しいところなんですね」
「眼鏡をかけている人は皆同じだと思うわ」
それはだというのだ。
「誰でもね」
「眼鏡は邪魔ものなんでしょうか」
「そうなるのでしょうか」
ふと言うイーとリャンだった。そんなことも言ったのだ。
「ですが御主人様はそうは見えないですし」
「どうなのでしょうか」
「そのことについてはね」
どうなのかとだ。話す春奈だった。その話は何かというと。
第四百四十九話 完
2011・12・21
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