第四百四十二話
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第四百四十二話 原子力
小田切君達はロボットのところに来てあちこち見回す。しかしだ。
何のエネルギーを使っているのか全くわからずだ。居間に戻りだ。
それぞれ紅茶やミルクを飲みながらだ。こう話すのだった。
「本当に何で動いてるんだろうね」
「外からじゃ全然わからなかったね」
「供給する場所とかなかったよな」
それぞれ話していく。これはどうしてもだった。
だがそれでも諦めずだ。小田切君が二匹に話す。
「また調べてみる?」
「そうだね。諦めずにね」
「ミルク飲んでからまたやろうぜ」
そんな話をしてだった。また席を立とうとする。そこでだ。
また博士が来てだ。こう彼等に話してきたのだ。
「あのロボットには電池もガソリンも不要じゃぞ。だから君達は何もしなくてよいぞ」
「あれっ、じゃあ何で動いてるんですか?」
「原子力じゃ」
それで動いているというのだ。
「しかもプルトニウムじゃ」
「プルトニウムって。危ないですよね」
「うむ。必要とあらば爆発させることもできる」
「何か原爆と変わりませんね」
「今度元総理大臣の前で爆発させてみるぞ」
しれっとして言う博士だった。
「あの輩をわしの大嫌いなあの国に連れて行ってからな」
「ああ、あの将軍様の国ですね」
「小悪党は嫌いじゃ」
少なくとも博士は小悪党ではない。そんな甘い悪事は犯したことがないのだ。小悪党がその器に相応しいこすい悪事は全くなのだ。
だからだ。博士は言うのだった。
「やるからには大きいことをせんとのう」
「で、あの国の首都で将軍様も元総理もですか」
「消し飛ばす」
吹き飛ばすどころではなかった。
「茸雲にしてやるわ」
「で、その巻き添えは」
「あの国なら何の問題もない」
博士の辞書に人権という二文字はない。実際に完全に消してもいる。
「そうではないか?」
「いや、関係ない人達を巻き込むのは」
「あの国の将軍様の臣下じゃ。ではよいな」
「いや、全く思えませんから」
小田切君は何とか博士を止めようとする。しかしだ。
博士は平然とだ。そのロボットを見て言うのだった。
「いざとなればこのロボットだけ離脱できるようにしておくか。折角開発したから勿体ないのう」
「人の命よりもロボットなんですね」
「何度も言うがあの国と小悪党なぞ知ったことではないわ」
「ううん、何か博士らしいですね」
「そうじゃろう。わしはあくまでわしじゃ」
こんなことを話してだった。博士はまたしても碌でもないことを考えていた。博士の頭の中では人命も環境もだ。どうでもいいものなのだ。
第四百四十二話 完
2011・11・23
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