第四百四十話
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第四百四十話 謎のロボット
小田切君は早速だ。二匹に言った。
「あのロボットだけれど」
「今何処にいるの?」
「やっぱり脱衣場か?」
「うん、そこにずっと立ってるよ」
そうだと話す小田切君だった。
「まるで置物みたいにね」
「けれど置物では絶対にないね」
タロがこう言う。
「あれだけ物騒だと」
「そうだね。あれはかなりね」
小田切君は冷蔵庫を開けてだ。そこにあるペットボトルのアイスティーを出してだ。コップも出してその中に入れてそうして飲んでからだ。
タロにこう話す。
「刀なりマシンガンなりボウガンなり持ってるから」
「博士が造ったんだと思うよ」
「うん、僕もそう思うよ」
小田切君はタロの言葉に頷いた。
「さもないとあんなに異様なロボットはないよ」
「そうだよね。やっぱり」
「量産型なのかね」
ライゾウは首を捻りながらこう言った。
「構造は簡単だしな」
「確かに。あの博士にしてはね」
小田切君は今度はライゾウの言葉に応える。
「何かやけに素直っていうかね」
「博士だぜ」
ライゾウが言う根拠はここにあった。
「そんなまともなことするかね」
「いや、しないね」
「そこが引っ掛かるんだよ。あの博士があんな簡単な構造のロボット造るかね」
「けれどあそこまで物騒なロボットを造るのは」
地球でも博士しかいない。彼等はこのこともわかっていた。
だからだ。どうも引っ掛かるのだった。しかしだ。
博士がここに来てだ。こう言うのだった。
「何じゃ?あのロボットの話をしておるのか」
「あのロボット何なんですか?」
「あれはわしが百億年前に造ったものじゃ」
地球もない時代にだというのだ。
「寝ながら造ってみたのじゃがどうじゃ」
「百億年前の博士の作品だったんですか」
「うむ。わしは千歳ではじめてロボットを造ったがのう」
「で、あれは百億年前に寝ながらだったんですか」
話を聞くのは小田切君だった。
「何か。凄い話ですね」
「とりあえず風呂場に置いておいたのじゃが何かあったのかのう」
「御風呂に入ったらいたんで驚きましたよ」
小田切君が困った顔で言う。
「何かって思いましたよ」
「まあ今は殺人スイッチを入れておらんから安心してくれ」
そうした事情だったのである。何はともあれ事情ははっきりしたのだった。
第四百四十話 完
2011・11・15
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