第四百三十八話
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第四百三十八話 ワインの方がいい
小田切君はドイツ料理を食べ続けている。そうしてだ。
途中冷蔵庫の部屋に向かい何かを取って来た。それを見てだ。
ライゾウもタロもこう言った。尚冷蔵庫のある部屋にワイン用のボックスもある。全て博士が自分の嗜好に合わせて作ったのだ。
そのボックスからワインを二本取り出して戻ってきた。そうして言う小田切君だった。
「じゃアこれを飲んでね」
「ワインか。ちょっとな」
「ドイツ的じゃないと駄目なんじゃないかな」
「いや、ドイツ人はワインでもいいんだよ」
にこりと笑って話す小田切君だった。
「ビールだけじゃないから」
「ビールだけじゃなくワインもなんだな」
「そうだね。贅沢だよね」
笑顔の小田切君に対して二匹は慎重でだ。まだこう言うのだった。
「ドイツ人って質素かって思ってたけれどな」
「お酒には別なんだ」
「ああ、とにかく飲むんだよドイツではね」
小田切君もその彼等に話す。
「ビールも凄いけれどワインもね」
「で、小田切さんもワインか」
「それ飲むんだ」
「そう。モーゼルね」
ドイツワインの伝説の一品である。
「それを今から二本開けるから」
「本当に大丈夫かな」
ここでまた言うライゾウだった。
「生き急いでるみたいな感じもするし」
「うん、それはないよ」
大丈夫だと話す小田切君だった。
「ちゃんと飲んで落ち着いてるから」
「だから博士のアシスタントもできるのか」
「そうかもね。じゃあ何はともあれ今から」
自分でコルクの栓を開けてだった。小田切君は大ジョッキにワインを注ぎ込みそうしてなのだった。
ソーセージやジャガイモを肴にワインも飲む。そうしてだ。
食べ終わってからだ。満足している面持ちでこう言ったのである。
「飲んだし。もう二児かあ」
「時の流れって速いからな」
「一瞬の光陰だよね」36
「そうだね。じゃあとりあえずはね」
何をするかというと。
「時間まで留守番しようか」
「せめてお酒抜いたらどうかな」
タロがこう小田切君に言ってきた。
「二日酔いとかなくなるしね。今のうちにお酒を抜いておくと」
「じゃあお風呂に入ろうかな」
「心臓に気をつけてな」
「そこのところはくれぐれもだよ」
ライゾウとタロは注意してだ。小田切君を風呂場に案内したのだった。そしてそれからすぐにだった。その風呂場の方から急な叫び声がしてきたのだった。
「?この声は」
「小田切さんかな」
ペット二匹はすぐに浴槽に向かう。果たして何があったのか。
第四百三十八話 完
2011・11・9
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