第四百三十六話
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第四百三十六話 ジャガイモのパンケーキ
華奈子と美奈子は学校に帰るとだ。お母さんにこう言われた。
「今日のおやつは変わったのにしたわ」
「変わったの?」
「何なの、それって」
「パンケーキよ」
まずはこう答えるお母さんだった。
「それを作るから。後は生地を焼くだけよ」
「パンケーキって普通よね」
「そうよね」
二人はお母さんの話を聞いて顔を見合わせて話をした。
「だってお母さんパンケーキ得意だし」
「私達二人共好きだし」
「だからいつも食べてるし」
「そうよね。私達のお家じゃ一番ポピュラーなおやつの一つよね」
「只のパンケーキじゃないのよ、これがね」
だがお母さんはパンケーキ自体に秘密があるというのだ。
「ジャガイモのパンケーキなのよ」
「ジャガイモ!?」
「ジャガイモのパンケーキ!?」
「そう、それなのよ」
驚いた顔になった二人に話すお母さんの顔はかなり誇らしげだ。
「それを作ったから食べなさい」
「美味しいのかしら」
「どうかしら」
ここでまた顔を見合わせて話す二人だった。二人共きょとんとした顔になっている。
「昨日塾でお芋もお菓子になるって聞いたけれど」
「ジャガイモもなのかしら」
「どうなのかしら、そこは」
「ちょっと。食べてみないと」
「そう。まずは食べなさい」
お母さんは自信に満ちた顔であった。無論声もだ。
「お母さん会心の出来だから」
「うん、それじゃあ今から」
「食べるわ」
「いただきます」
こうしてだった、二人は手を合わせてからだ。フォークとナイフでそのパンケーキを食べはじめた。見れば普通のパンケーキより平べったく全体が狐色になっている。あのふっくらとした感覚はそのパンケーキにはなかった。
そのパンケーキを食べてみてだ。二人は言った。
「美味しいわね」
「そうよね」
「甘くはないけれどそれでも」
「美味しい、間違いなく」
「おやつにするには甘くないけれどね」
おやつに必要なそれはだというのだ。しかしだった。
「けれどそれでもいい味だろ」
「うん、晩御飯のおかずに向いてるかも」
「お野菜だしね」
こう話す二人だった。娘達のその話を聞いてだ。
お母さんは満足した顔でいた。そうしてそれからだ。華奈子と美奈子はそのパンケーキも食べはじめた。ただしおかずとしてだ。食べてるのだった。
第四百三十六話 完
2011・10・30
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