第四百三十話
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第四百三十話 あのロボットで
作物を殺しその土地を二百年は使えなくししかも害虫を大きくし狂暴化させるというどうしようもないまでに凶悪な農薬を開発した博士はだ。早速それをならず者国家に撒くことにした。
昼食を食べてからだ。博士は小田切君に言う。開発をはじめたのは九時で終わったのが十一時半だ。それが済んでから昼食を食べてすぐにである。
「さて、ではじゃ」
「今から撒布ですね」
「カイザージョーを使う」
博士が開発した巨大破壊ロボットである。
「あれで上から一気に撒く」
「あの国全体をですね」
「とりわけ将軍様がおるという首都にじゃ」
そこは念入りにだというのだ。
「そこに特にじゃ」
「あそこには農場なんてありました?」
「実は雑草があればそれを変質化させるのじゃ」
さらに悪質である。
「それで人を襲う様になる」
「雑草はそうなるんですか」
「あそこの国家元首は雑草とは人にどうして役に立つかわかっていないだけの草だと言った」
「何か我が国の陛下とは全然違いますね」
小田切君は心からそう思った。前の陛下である。
「雑草という草はないと仰ったんですけれど」
「所詮国家元首としての品性や資質が違う」
そうした発言にも出て来るのだ。国家元首の資質や品性は。
「あれは所詮盗賊あがりじゃ」
「何か山に篭もって戦ってたって言ってますけれど」
「実際は違う。山賊みたいなもので日本軍に追い立てられて逃げたのじゃ」
「ああ、博士の好敵手だった」
博士は明治維新以降日本軍と常に戦ってきたのである。博士がその圧倒的な怪しい兵器や劇薬で日本軍に攻撃を仕掛け日本軍が受けて立ったのである。
「御先祖様達がですか」
「そうしていたのじゃ」
「まあこの話は聞いていましたけれどね」
小田切君も大学を出ている。本を読んで勉強したのだ。
「本当だったんですね」
「左様。間違ってもパルチザンなどではない」
博士は言い切る。
「そうした輩が建国した国じゃ」
「だから嫌いなんですね」
「やることもただ卑劣なだけじゃ」
博士は少なくとも卑劣ではない。ただモラルや常識が一切通用しないだけだ。
「そんな奴には容赦をせぬ」
「それでカイザージョーで、ですね」
「あの国を地獄に変えてやるとしよう」
「既に飢餓地獄と独裁地獄ですけれどね」
「そこにさらに地獄を加えてやるのじゃ」
博士は平然とこう言ってだ。
その農薬をカイザージョーに搭載する。そのうえで。
その北のならず者国家に向けて飛ばす。その途中その国を擁護している元総理大臣や似非ジャーナリストの家を襲わせてだ。彼等ごと踏み潰すことも忘れなかった。
第四百三十話 完
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