第四百二十六話
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第四百二十六話 形を見てみて
梨花は妹に言われてからだ。その日の御風呂でだ。
実際に自分の胸を見てみた。しかしだった。自分では特に奇麗とは思わない。
風呂場の鏡に映るその胸を見て思った。そこでだ。
浴槽にいるその利奈がだ。こう彼女に言ってきた。
「やっぱり奇麗じゃない」
「そうかしら」
「うん、奇麗よ」
妹はにこりと笑って姉に話す。
「お姉ちゃんの胸ってね」
「まだ小さ過ぎでよくわからないと思うけれど」
「小さくてもわかるの」
利奈はこう断言してきた。
「見たらね」
「利奈はそれでわかるの」
「っていうかお姉ちゃんはわからないの?」
「わからないわよ」
妹に困った顔で返す。言い返しながらスポンジにボディーソープを付ける。そうして泡だたせたうえで自分の身体を洗っていく。
「そんなの。自分では全然」
「ううん、私はわかるんだけれど」
「どうやったらそんなのわかるのよ」
「どうやったらって普通に」
こう答える利奈だった。
「わかるけれど。見ただけで」
「そうなの?何かわかるコツとかそういうのはないの」
「全然」
ない、それが利奈の返事だった。
「ただ見ればわかるから」
「それって魔法みたいだけれど」
「私魔法知らないから」
利奈は魔法を習っていない。だから知る筈もなかった。
「ただ見ただけよ」
「眼力なのね」
梨花はこの場合の眼力とはどういったものなのかを妹に説明した。身体を洗いながら。
「おっぱいを見分けられるね」
「あれっ、私って胸の目利きだったの?」
「そうみたいね」
「何かそう言われたら特別みたいだけれど」
「特別じゃないけれど凄いと思うわ」
どういったものであれものを見分けられることはというのだ。
「利奈にはそれがあるのよ」
「そうなのね。じゃあお姉ちゃん余計に安心していいから」
翻ってだ。梨花に戻る話だった。
「そのおっぱいの目利きが見たことだからね」
「ううん、そうなのね」
「そうよ。それじゃあね」
ここで利奈が浴槽から出た。そうしてだ。姉にこう言ってきた。
「背中流してあげるね」
「有り難う」
姉もにこやかに応える。二人はとても仲のいい姉妹である。
第四百二十六話 完
2011・9・28
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