第四百二十一話
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第四百二十一話 赤音の姉
華奈子は今度は赤音にだ。胸のことを話した。するとだ。
彼女は曇った顔でこう言ってきた。
「実はね」
「実はって?」
「あたしのお姉ちゃんの胸が凄いのよ」
「あれっ、そうだったの」
「最近かなり大きくなってきたのよ」
「成長したってことね」
「多分ね」
おそらくそうだとだ。赤音も言う。
「それでなのよ」
「じゃあ赤音も?」
「そうなったらいいけれどそれでもね」
ここで赤音の顔はさらに曇った。その顔で華奈子に言うのである。
「何ていうかね。あれはないわ」
「あれはないわって。だから何なのよ」
「だから。お姉ちゃんの胸がね」
それがどうしたかというのだ。
「凄いから」
「凄いってそんなに?」
「巨乳になってるのよ」
具体的にはだ。それだというのだ。
「もう物凄いね」
「凄い居乳って」
「グラビアアイドルみたいな」
具体的な話になった。
「そんな感じになってて」
「グラビアアイドルまでなの」
「そうなのよ。一回見てみる?」
赤音から華奈子を誘う。
「お姉ちゃん。よかったら」
「そうね。それじゃあね」
そしてだ。華奈子もだ。少し考えてから答える。
「御願いするわ」
「じゃあ今日あたしの家に来てね。塾の帰りに」
「わかったわ。美奈子も連れて来ていいかな」
「美奈子ちゃん今日習いごととかないの」
「今日はないの」
なければ家で演奏の練習だ。最近は華奈子もサックスでそうしている。
「だから。別にね」
「構わないのね」
「二人で行かせてもらうわ」
「じゃあ紅茶淹れて待ってるから」
赤音は笑顔になって紅茶の話を出す。
「とにかく凄いから」
「あんたのお姉ちゃんの胸がなのね」
「見て驚かないでよ」
赤音はくれぐれといった口調で華奈子にまた言う。
こうしたやり取りをしたうえでだ。華奈子は赤音の家に行くことにしたのだった。彼女の姉の胸がどういったことになっているのか、それを見て確める為に。
第四百二十一話 完
2011・9・12
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