暁 〜小説投稿サイト〜
対決!!天本博士対クラウン
第四百二十話

[8]前話 [2]次話

               第四百二十話  春奈がこだわる理由
 春奈はだ。華奈子に話した。何故自分が胸が大きい方がいいと考えるかを。
「お兄ちゃんよくテレビとかで胸の大きい女優さん見るのよ」
「そうなの」
「自分では言わないけれどわかるの」
 そうしたことがだ。横から見てわかるというのだ。所謂女の勘というものだが春奈はそれを使ってだ。それでわかるというのである。
「それでなのよ」
「春奈って案外鋭いのね」
「そうかしら」
「結構ね。まあとにかくね」
 華奈子はその春奈に対して言う。
「春奈は胸が大きい派なので」
「小さい方がいいっていう人いるの?」
「何か。美奈子はね」
 彼女に言われたことをだ。そのまま春奈に話した。
「それがいいっていう人もいるって」
「女の人で?男の人で?」
「両方みたいよ」
「そんな、両方共ないわよ」
 とてもだ。春奈には信じられない話だった。それでだ。
 彼女にしては珍しく強い否定してだ。こう華奈子に言った。
「胸が大きい方がいいに決まってるわよ」
「そうよね。それこそ胸が小さいとね」
「何にもならないわ」
「胸は大きくこそよね」
「絶対にね」
 目はいつもの弱い感じだがそれでもだ。春奈の今の言葉は強かった。
「美奈子ちゃん何でそんなこと言うのかしら」
「美奈子とは双子だし」
 つまりいつも一緒にいた。それだけに他の兄弟よりも絆は深い。だが、だ。
 今回ばかりはだ。その華奈子もだ。美奈子の言葉がわからずにだ。春奈に話した。
「何でもお互いにわかるって思ったけれど」
「それでもなの」
「そう、胸のことはね」
 それはだ。どうしてもわからないというのだ。胸は別に小さくてもそれはそれでいいではないかという美奈子の言葉については。
「こんなことはじめてだから」
「ちょっと皆とも話してみる?このこと」
「そうね。他の皆も集めてね」
「そうしてみましょう」
 こうしてだった。二人はだ。
 クラウンの他のメンバーにも胸についての話を聞くことにした。それを決めてからだ。
 華奈子はだ。強い声で春奈に言った。
「答えはもう決まってるわよね」
「そうよね。絶対にね」 
 春奈も言う。
「大きい方がいいわ」
「それ以外に有り得ないじゃない」
 二人は確信していた。やはり胸はそれだとだ。しかしそれが正しいのかどうかはだ。まだ二人にはわかっていないことだった。そのことは。


第四百二十話   完


                    2011・9・6
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ