第四百十八話
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第四百十八話 肩凝り
華奈子は美奈子にだ。母に言われたことを満面の笑顔で話したそれだけ嬉しかったからに他ならない。しかしであった。美奈子は。
華奈子にだ。こう言ったのだった。
「胸が大きいとね」
「いいことよね」
「肩凝るらしいわ」
「肩が!?」
「そう、肩がね」
そこがだ。凝るというのだ。
「凝るらしいわ」
「何で肩が凝るの?胸が大きいと」
「だって。胸が大きいってことはそれだけ胸が重いってことだから」
胸も肉だから当然のことだ。もっと言えば胸は脂肪である。だから筋肉よりは軽いがそれでもなのだ。肉は肉でだ。重さがあるのだ。
だからだとだ。美奈子は言うのである。
「いつも重りをぶら下げているのと同じだから」
「その分だけ凝るの」
「そうらしいわ」
「胸が大きいと肩が凝るって」
「お母さんもよく肩凝りで悩んでるでしょ」
「あっ、そういえば」
言われて気付いた華奈子だった。
「何かそうよね」
「そうなのよ。胸が大きくていいことばかりじゃないのよ」
「そういうのわからないけれど」
「大きい人じゃないとわからないわよね」
そのだ。胸が大きくない限りは。
「そういうのって」
「わかるようになりたいわ」
「つまり胸は大きくなのね」
「夢は大きく胸も大きく」
華奈子は言い切った。
「肩凝りが何だって。それに美奈子もね」
「家系を考えればよね」
「それに美奈子だってお母さんそっくりだし」
それぞれ顔立ちは微妙に違うのだがだ。二人は母親似なのだ。もっと言えば二人共その顔立ちは整っていると言ってよいものだ。
「だからよ」
「私も大きくなるのね」
「バインバインじゃないかしら」
「バインバインね」
「そう、二人共ね」
「私は特に」
華奈子程胸に執着のない美奈子はそう言われてもだ。
首を少し左に傾げさせてだ。こう言うだけだった。
「いいけれど」
「いいの??」
「特にね」
「双子で巨乳って最高だと思うけれど」
そこにあるものを見ている華奈子だった。その見ているものが何かも問題だった。
第四百十八話 完
2011・8・29
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