第四百十五話
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第四百十五話 ダイエットの結果
ライゾウはダイエットに励み続けた。すると。
見事にだ。腹がへっこんでいた。それを見てだ。
彼はだ。満足した顔で言うのだった。
「これだよ、これでいいんだよ」
「痩せたね」
「ああやったよ」
こうタロに対しても答える。
「本当にな」
「けれどまだ問題はあるよ」
しかしだ。タロはだ。ここでライゾウに釘を刺してきた。
そしてだ。こう忠告してきた。
「リバウンドはね」
「リバウンド?それかよ」
「そう、痩せても油断したらすぐに体重は元に戻るから」
「そうなったら何にもならないか」
「余計に太る場合もあるし」
タロはその恐ろしい現実をライゾウに話す。
「そうならない為にもね」
「これからも気をつけないといけないか」
「体重は気にしなくていいんだ」
「ああ、筋肉だからか」
「そう、筋肉は体重より重い」
一つの真理だ。脂肪は所詮は油の塊だ。しかし筋肉は紛れもない肉である。詰まっているのだ。それでは脂肪より重いのも当然だ。
ダイエットで見落とされやすいこのことをだ。タロはライゾウに話した。
「だから。体重よりも」
「脂肪率か」
「ライゾウは脂肪率が問題なんだよ」
他ならぬだ。それがだというのだ。
「だから。余計にね」
「リバウンドには気をつけてか」
「脂肪率は増やさないようにね」
「ああ、わかったよ」
ライゾウはタロに対して答えた。
「それじゃあな。これからはな」
「うん、そういうことで頑張ってね」
「ああ、そうするよ」
そうした話をしてだった。
ライゾウはそれからも気をつけることにした。かくしてデブ猫であるライゾウは終わりを告げた。しかしだ。それでもライゾウはライゾウだった。
今日もだ。主である華奈子にだ。こう怒られていた。
「あんたまたテーブルの上にあがって」
「駄目かよ、猫がテーブルの上にあがったら」
「誰でもテーブルの上にあがったら駄目に決まってるじゃない」
足でだ。それはないというのだ。
「全く。悪さばかりして」
「細かいこと言うなよ、御主人も」
「言うわよ。そんなことしたら怒るわよ」
「もう怒ってるじゃねえかよ」
こんなやり取りをしてだ。反省しない性格は相変わらずなのだった。
第四百十五話 完
2011・8・24
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