第四百十一話
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第四百十一話 豆腐は
ライゾウはダイエット用の食事を食べ続けていた。その中でだ。
ふとだ。タロに言うのだった。
「豆腐あるよな」
「ああ、御主人達がよく食べているあれだね」
「あれってカロリー少ないよな」
ライゾウが豆腐について言うのはまずこのことだった。
「しかも身体にいいんだよな」
「御主人も美奈子さんも美味しいっていうしね」
「あれ食おうかな」
ライゾウは腕ではなく前足を組んで言った。
「ダイエットによさそうだしな」
「あれは駄目だと思うよ」
しかしだ。ここでだった。
タロはこう言ってだ。その豆腐を駄目だと言うのだった。
「僕達にはね」
「えっ、何でだよ」
「だってさ。豆腐って大豆から造るんだよ」
「大豆?豆だよな」
「そう、豆からね」
それから造るとだ。ライゾウに話すタロだった。
「僕達大豆は食べないじゃない」
「だよな。犬も猫もな」
肉食だ。それならばだった。
「だからそれはなしか」
「うん。確かに美味そうだけれどね」
「残念だよなあ。いいって思ったんだけれどな」
「犬と猫だから無理なのがね」
残念だと。タロもそこは同意するのだった。
しかしだ。ライゾウはこんなことも言った。
「御飯なら食べられるんだけれどな」
「猫まんま?」
所謂白い御飯に鰹節をふりかけてそこに醤油を垂らす食べ物である。猫によくやるのでこの名前がついた。ライゾウも好物にしている。
その猫まんまなら食べられると。ライゾウは言うのである。
「旦那も白い御飯食べたりするけれどな」
「御飯はまた特別だから」
「だから比べる意味はないか」
「そう。御飯と大豆はね」
同じ穀物でもだ。違うというのだ。
「とにかく。豆腐は諦めようよ」
「だよな。けれど本当に何かないかな」
ライゾウは豆腐は諦めてもまだ探していた。
「ダイエットにいい食べ物な」
「色々あるだろうけれどね」
「運動続けながら探すか」
「うん、まずは運動だからね」
これは忘れてはいなかった。そうした話をしてだった。
「じゃあまたな」
「走りに行こう」
二匹で町のランニングに出るのだった。何だかんだでライゾウはタロに付き添われながら真面目にダイエットを続けていた。
第四百十一話 完
2011・8・9
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