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対決!!天本博士対クラウン
第四百一話

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                   第四百一話  実は皆も
 逆上がりができるようになってから。美奈子は何度もやってみた。
 それは学校以外でもで。公園でもするのだった。
 そんな彼女を見てだ。華奈子だけでなく他の皆も言うのだった。
「美奈子ちゃんも遂になのね
「できるようになったのね」
 まずは春奈と赤音が言う。
「私も最初できなかったのよね」
「私も」
「そうそう。私もね」
「できるようになるまではね」
 美樹と梨花もだった。
「中々大変でね」
「ふとできるようになるのよね」
「何か皆もなの?」
 美奈子は四人のそうした話を聞いて言うのだった。
「最初はできなかったの」
「最初からできるものじゃないから」
「そうそう。自転車と同じでね」
「必死にやっていてふとできるようになるものなのよ」
「身体がコツ覚えてくれてね」
 四人は優しい笑みで美奈子に話す。そうだというのだ。
「だから。美奈子ちゃんもね」
「身体が覚えてくれたのよ」
「気付いたそれをね」
「自然になのよ」
「ううん、頭じゃないのね」
 美奈子は四人の話からこう考えたのだった。そしてそれはその通りだった。
「こういうのって」
「そうよ。ダンスだってそうじゃない」
「頭より、よね」
「リズムで。後は身体が覚えてくれるわよね」
「そうね。そういえば」
 美奈子はダンスは得意だ。こちらは持ち前の音楽センスを使ってだ。かなり上手にやってみせている。華奈子と同じ位できているのだ。
「じゃあ。他にも?」
「そういうことって多いわよ。身体が覚えてくれるってことはね」
「そうなのね」
 美奈子はあらためて頷いて述べた。
「身体なのね。要は」
「あたしなんか特にだしね」
 華奈子は笑ってこんなことも言った。
「頭で考えるよりね」
「身体で覚える、ね」
「いつもそうだから」
「そうね。頭で考えるよりもってことがあるから」
「それがわかったのね、美奈子も」
「ええ、よくね」
 笑顔で華奈子の言葉にも応えられた。
 美奈子にとっては逆上がりができるようになっただけではなくだ。その他のこともわかった、そうしたとても大事な経験となったのだった。


第四百一話   完


                 2011・7・6
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