第三百九十八話
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第三百九十八話 華奈子の朝
華奈子は朝からとにかく食べる。ある日はだ。
「朝からトースト六枚?」
「うん。やっぱり食べないとね」
「しかもジャムをたっぷり塗ってザワークラフトとスパムも食べて」
パンだけでなくだ。そうしたものも食べるのだ。そのうえだ。
「ミルクも一リットルなのね」
「牛乳って身体にいいから」
「けれど。そんなに食べて大丈夫なの?」
「っていうかね」
ここでまた美奈子にこう言うのである。
「食べないともうそれでね」
「身体がもたないのね」
「うん、もう力が出ないから」
それでだ。朝から食べるというのだ。
「だから食べるのよ」
「そうだったのね」
「美奈子は朝あまり食べないけれど大丈夫なの?」
「普通に食べてるけれど」
ただ華奈子が異常に食べているだけだ。美奈子の食事の量は普通なのだ。彼女も朝はしっかり食べないといけないと考えているのだ。
しかしだ、華奈子はあまりにもだった。
「あとフルーツだけれど」
「今度はそれ!?」
「なければトマトある?ビタミンもちゃんと採らないと」
「人によってはトマト一個で朝御飯だけれど」
「えっ、それでもつの?」
その話を聞いて驚く華奈子だった。
「朝トマト一個で」
「朝食欲ない人もいるし元々少食な人もいるわよ」
「ううん、あたしじゃ絶対に無理ね」
華奈子はそれはどうしてもというのだった。恐ろしいものを聞いたという顔になってさえいる。
「やっぱりしっかり食べないと」
「けれど華奈子って」
「あたしが?どうしたの?」
「お昼も夜もしっかりと食べてるじゃない」
美奈子が今突っ込むのはこのことだった。
「それはいいの?」
「三食しっかりと食べないと駄目じゃない」
「だからそれでいいのね」
「うん、さもないと動けないから」
だからいいというのである。
「美奈子も食べようよ、しっかりとね」
「私はしっかりと食べてるから大丈夫よ」
「そう?だといいけれど」
だが華奈子の基準では違うのだった。そうした話をしてだった。
トマトまで食べ終えて牛乳も飲み干し。そのうえで立ち上がりだ。
「じゃあ歯を磨いて顔を洗ってね」
「ええ、登校よ」
華奈子の朝はここからはじまるのだった。そして一日もだ。朝からこれでもかという位食べてそれからだ。一日派手に動き回るのである。
第三百九十八話
2011・6・22
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