第三百九十七話
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第三百九十七話 花火を見て
博士の打ち上げる花火は当然の如くテレビでもネットでも取り上げられた。当無論新聞でも同じで一面にでかでかと載っていた。
その一面を見てだ。美奈子が言うのだった。
「また派手なことしたわ」
「人間爆弾に人間花火ね」
華奈子は丼飯をかき込みながら美奈子に応えた。丁度朝食の時だ。
「無茶苦茶よね」
「その無茶苦茶を頼んでね」
「それでしてるのね」
「そう、いつも通りね」
美奈子は既に食べ終えている。それでお茶を飲みながら自分の席で新聞を読んでいるのだ。
そのうえでだ。美奈子は呆れながら言った。
「いつも通りの大量殺人よ」
「それがいつも通りになるって」
「あの博士らしいわ」
こうだ。呆れた口調で華奈子に言うのだ。
「本当にね」
「そうよね。相変わらず人権無視してるわね」
「で、それでね」
「それで?」
「多分。先生から話が来るわ」
こう華奈子に言うのだった。
「このことでね」
「ああ、またあたし達の出番ね」
「そういうこと。こういうこと放っておける?」
その人間爆弾や人間花火をというのだ。
「絶対に無理でしょ」
「放っておいたらそれこそ次から次に」
「そうよ。人を殺していくから」
しかも遊びでだ。博士にとってこうした虐殺も遊びなのだ。確かに相手はヤクザや暴走族だがそれでも人間であることには変わりない。
それでだとだ。美奈子は言うのだ。
「話が来ない筈がないから」
「そういうことね。それじゃあ」
「話が来ることは考えておきましょう」
「わかったわ。それじゃあ今から」
「そう、登校」
朝起きたら学校に行く。そういうことだった。
「早く食べて。それで行きましょう」
「ちょっと待ってよ。朝はしっかり食べないと」
こう言ってだ。大飯をかき込み続ける華奈子だった。同時におかずも食べる。そのおかずは。
「ソーセージと目玉焼きもしっかりとね」
「何か朝からカロリー高くない?」
「そう?いつもこんな感じじゃない」
平然と返す華奈子だった。そうしてだ。
丼を空にすると。今度は。
パンを頬張る。そうしながら言う言葉は。
「これも食べてね」
「で、登校ね」
「朝食べないともたないから」
こうして朝からしっかり食べて動く華奈子だった。とにかく朝から食べて食べて食べまくってだ。彼女は一日をはじめるのである。
第三百九十七話 完
2011・6・22
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