第三百九十四話
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第三百九十四話 爆発させる場所
ライゾウとタロがだ。今度は人間爆弾なぞという人権なぞ何一つとして配慮していない遊びを実行に移している博士にだ。こう尋ねたのだった。
「もうさ。人の命を何と思ってるんだとかは言わないからさ」
「ヤクザ者とか不良とか暴走族にするし」
社会の屑だからいいとだ。二匹もそのことはいいとした。
そうしてあらためてだ。博士に尋ねるのだった。
「けれど博士って無差別テロは好きじゃなかったよな」
「何か綺麗じゃないとか言ってね」
「うむ、そうじゃ」
その通りだとだ。博士も答える。
「ああしたことをしてもじゃ。何も面白くはない」
「けれどさ。人間爆弾って人ごみの中で爆発させるよな」
「それはいいの?」
「リモコンでわしの思うままに爆発できるようにしておってじゃ」
博士はこのことをライゾウとタロに話すのだった。
「それでじゃ。そうした場所では爆発させぬ」
「けれどそのことに気付いて人ごみの中にずっといようとする奴出るぜ」
「それと。自棄になって悪いことをする奴とか」
「実は爆弾には他に細工もしておる」
博士はまた二匹に答える。
「そうした不埒者には爆弾から毒が流れる様にしておるのじゃ。その毒もわしのリモコン操作で好きな時に流れるようになっておるのじゃよ」
「毒ってやっぱり猛毒だよな」
「それこそ地獄の苦しみを味わうような」
「瞬時に動けなくなる。その激痛でな」
まずだ。激痛からはじまるというのだ。
「そしてそれが一ヶ月に渡って続くのじゃ。全身のあらゆる場所が破傷風や出血毒をさらに激しくした様な痛みと苦しみを味わうのじゃ」
「うわ、それ最悪」
「身体のあらゆる場所って」
「そして一ヵ月後死ぬ」
つまりだ。一ヶ月も苦しむというのだ。
博士は爆弾にそうした毒も仕込んでいるとだ。誇らしげに話してだった。
そのことをライゾウとタロに話してだ。どうだという顔になっていた。
そして二匹はだ。その博士に対してだった。
「本当に人を苦しめ抜いて殺すことが大好きなんだな、博士って」
「人権とか人道とかそういう言葉って知らないんだね」
「人権?人道?はて」
そうした言葉には真剣に首を捻ってだった。
「知らん言葉じゃな」
「そうした言葉は絶対に覚えられないんだよな」
「二百億年も生きてるのに」
「さて、では気の赴くまま爆発させるとしよう」
実際にここでボタンを押す。するとだ。
ヤクザ者の一人がだ。人里離れた山奥でだ。
「俺は死にたくないーーーーーーーーーーーっ!!」
断末魔の叫びと共に四散するのであった。そして博士はその光景を赤ワインをグラスに入れてそれを掲げながら笑みを浮かべていた。そのうえでの言葉は。
「よい叫びじ
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