第三百九十三話
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第三百九十三話 今度の活動は
博士はだ。小田切君に急にこんなことを言って来た。
「今思いついたのじゃがな」
「今度は何ですか?」
「うむ、人間爆弾じゃ」
こんなことを言い出すのだった。
「その辺りの暴走族や不良やヤクザ者を捕まえてじゃ」
「その身体に爆弾を埋め込むんですね」
「それでわしの好きな時間に爆発させるのじゃ」
無論だ。爆発した場合は死んでしまう。博士はそうしたことも楽しみにしているのだ。
そのことについてだ。博士はこうも話した。
「面白いじゃろ。どうじゃ?」
「それでどれだけ殺されるんですか?」
「気が向くままじゃ」
つまりだ。好きなだけ殺すというのだ。
「どうじゃ。面白いじゃろ」
「また酷いことを考えておられるんですね」
「楽しいことを考えておるのじゃよ」
博士にとってはだ。あくまでそうなのだった。
それでだ。早速だった。
その辺りから適当に捕まえたヤクザ者や暴走族や不良達にだ。麻酔なぞ一切使わずにだ。爆弾を次々と埋め込んでいったのであった。
埋め込まれた彼等はだ。口々にこう言うのだった。
「い、嫌だ!」
「俺は死にたくない!」
「どうしてこんなことになるんだ!」
「何故死ななきゃならないんだよ!」
「わしが楽しいからじゃ」
だから彼等は死ぬのだとだ。博士は平然として答えた。
そしてだ。あまつさえこんなことを言うのだった。
「ではわしの楽しみの為に心おきなく死んでくれ」
「って全員絶望しきってますけれど」
小田切君が横から博士に突っ込みを入れる。
「それでもいいんですね」
「いいことじゃ」
それが当然だといった口調でだ。博士は述べた。
「聞くのじゃ。奴等の断末魔をのう」
「殺人も趣味なんですね」
「わしから見て無駄な人口は減らすべきじゃ」
実に恐ろしい言葉を平然として言いもする。
「そうは思わぬか?」
「そうした考えは持ったことがないです」
小田切君はこう博士に返した。
「っていうかこれまで何人殺してきたんですか」
「いちいち食べた米の粒数なぞ覚えておらん」
パンの数どころではなかったのだった。そうしてだ。
その爆弾を埋め込んだ彼等をだ。適当な場所に放り込んでしまった。
それはだ。まさに適当な場所だった。
北極だったりアマゾンだったり空中だったり海の真ん中だったり核実験場だったりした。そうしてそのうえでだ。中にはだ。
空中から落ちてだ。そのまま死ぬ者もいた。
「う、うわあああああーーーーーーっ!!」
「死ぬーーーーーーーーーっ!」
「いい叫び声じゃ」
また言う博士だった。本当に人権思想なぞないのであった。
第三百九十三話 完
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