第三百九十話
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第三百九十話 改造人間の末路
暴走族の者を蠍と蚤の改造人間にした。そうしてからだ。
博士はだ。小田切君にあっさりと話した。
「さて、この改造人間をじゃ」
「どうするんですか?」
「あの半島の北の国に特攻させる」
そうさせるというのである。
「尻にロケットをつけて人間ロケットとして打ち込む」
「あの、それだと」
それを聞いてだ。小田切君は首を捻りながら博士に尋ねた。
「改造する意味なかったんじゃ?」
「蠍と蚤の改造人間にじゃな」
「はい。そう思うんですけれど」
「まあそうかも知れんのう」
小田切君に言われてだ。博士もそのことに気付いた。
しかしだ。博士はこう言ってそれもいいというのであった。
「しかしわしは改造手術を楽しむことができた」
「だからいいんですか」
「そうじゃ。ならばそれでよい」
博士の趣味の一つに人体を改造手術することがある。とにかく暴走族やヤクザ者やそうした存在を実験材料にすることはだ。博士にとっては何でもないのだ。
そのことを平気で話してだった。博士はまた言った。
「それではその改造人間を地獄に送ってやろう」
「地獄はもう見せたんじゃ」
首を切り落としてからの改造手術のことに他ならない。
「それでもですか」
「地獄は何度でも見せてもよいからのう」
あくまでこう言ってだった。博士はだ。
改造人間をその国に、しかもよりによって核兵器を開発していると言われている原子力発電所にだ。撃ち込んでみせたのだった。
そうして大爆発を起こさせてからだ。博士は平気な顔で言った。
「これでよしじゃな」
「いいんですか」
「あの国が核兵器を持ってはならん」
博士は言う。しかしだった。こうも言うのだった。
「わしが持っておるのにじゃ」
「って持ってるんですぁ?核兵器」
「何か悪いのかのう」
「悪いって。日本は核兵器は持たず、作らず、持ち込ませずじゃないですか」
「わしに法律は効かん」
無視するからだ。
「ではよいではないか」
「だからですね」
「そうじゃ。一行に構わん」
こう言ってであった。そのことをだ。
何でもないと済ませてだ。博士が次に言う言葉は。
「さて、もう一本飲むとするか」
「ワインですね」
「楽しませてもらうとしよう」
ワインのボトルを空けてであった。
そうしてまた飲むのであった。趣味が終わった後の満足感と共に。
第三百九十話 完
2011・5・25
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