第三百八十八話
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第三百八十八話 巨大昆虫
そこいらのヤクザ者なり何なりから血を抜き取って集めることにした博士だった。しかしここで問題となることがあった。それは何かというとだ。
「博士、人を殺すのはわかったけれどさ」
「それ自体もう犯罪だけれど」
今度はライゾウとタロが博士に話す。
「それでどうやって血を集めるのかな」
「どうやってするの?」
「吸血鬼を使う」
それをだという博士だった。
「しかも実際におるな」
「実在の吸血鬼!?」
「それってつまり?」
「チスイコウモリか?」
「それなのかな」
ライゾウとタロはそれではないかと考えた。中南米にいて実際に動物から血を吸う蝙蝠だ。そこから狂犬病を移す恐ろしい動物である。
それではないかとだ。ライゾウとタロは考えた。しかしだった。
博士はだ。こう平然と言うのであった。
「いやいや、それでは血を抜かれる相手があっさり苦しまずに死ぬから駄目じゃ」
「相手を苦しませて血を抜くんだ」
「そうするんだ」
「そうじゃ。それでこそ面白いのじゃ」
実にだ。人の命を何とも思っていない博士である。しかもその際には苦しめるのも忘れない。マッドサイエンティストの鑑である。
「それで今じゃ」
「うん、その血を集める存在だね」
「それって何なのかな」
「蚊じゃ」
博士がこう言うとだ。早速だった。
研究所にだ。巨大な蚊が出て来た。しかも何匹もだ。
その蚊達が研究所に出てだ。早速であった。そこいらにいるヤクザ者なり暴走族なりを襲ってだ。そうして血を吸っていくのであった。
犠牲者の身体にその針を突き刺しだ。一気に吸っていく。吸われた方がやまったものではなかった。
「た、助けてくれ!」
「何だよこの巨大な蚊は!」
「またあの博士か!」
「今度は昆虫かよ!」
襲われるヤクザ者なり暴走族の面々は逃げ惑うばかりだ。しかしだった。
彼等は逃げ切れずにだ。次々にだった。
身体の血をだ。一滴残らず抜かれてだ。そうしてだ。
ミイラになり死んでいく。そして博士にはだ。
蚊が集めてきた血が来る。その血はだ。
気付けばかなりの量になっていた。その量を見てだ。
博士はだ。満足していた。そのうえで言うのだった。
「うむ、かなり集ったのう」
「一体何人分集めたんだか」
「何人殺したのかな」
「百人から先は覚えておらん」
こうライゾウとタロに答える博士だった。そして日本にはだ。
干からびたヤクザ者なりチーマーの死体が幾つも転がっていた。政府はその犠牲者の死体を見てだ。社会の屑が消えたのを喜ぶと共にだ。
博士の新たな悪行に頭を抱える。しかしそれには全く意を介さない博士だった。
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