第三百八十六話
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第三百八十六話 骨の使い道
博士は三秒だけ考えてだ。結論を出した。
「うむ、それではじゃ」
「どうするんですか?それで」
「骸骨を飛ばす」
そうするというのである。
「そしてそのうえでじゃ」
「飛ばすだけじゃないですよね」
「夜の町で人前で飛ばすのじゃ」
「それで驚かせるんですね」
「些細な悪戯じゃがどうじゃ?」
「それで心臓止まる位驚く人いますよ」
小田切君が言うのも道理だった。実際に夜歩いていて目の前から骸骨が飛んで来てはだ。驚かない方が無理な話である。
そしてそれをわかってだ。博士はするというのだ。
「それこそ」
「だからいいのじゃよ」
「まあただスケルトンを動き回らせるよりいいですね」
「しかもじゃ」
それに加えてだというのだ。
「骸骨は光らせる」
「そうするんですか」
「うむ、青白く不気味にのう」
演出であった。
「そしてそのうえでじゃ」
「夜の町を飛ばせるってことですね」
「どうじゃ?これはよいぞ」
「何か滅茶苦茶悪質ですね」
「悪質だからよいのじゃ」
博士の狙いはまさにそれだった。
「違うかのう」
「そうした考えに基けばですね」
「実際に基いておる」
博士は小田切君に話していく。
「そういうことじゃよ」
「じゃあ今回はそれでいくんですか」
「決まった。これでいく」
青白く光る骸骨を夜の町に飛ばすことがだ。
それを決めるとだ。すぐにだった。
博士は骸骨達を夜の町に飛ばす。勿論光らせたうえでだ。
忽ち町は大騒ぎになった。そしてであった。
博士はその大騒ぎを見てだ。楽しそうに笑うのであった。
「よいぞよいぞ」
「気に入らない奴を実験材料にしたり遊びで殺したり人を驚かせるのが本当に好きなんですね」
「我が生きがいじゃよ」
「生きがいなんですね」
「うむ、そうじゃ」
こう話してだった。博士はだ。
何処からかワインを取り出しそれを飲みながらまた言った。
「さて、祝杯じゃ」
「人が大騒ぎしていることに対してですね」
自分がしたことによってだ。やはり博士は悪戯が好きだった。かなり悪質な。
第三百八十六話 完
2011・5・9
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