第三百八十五話
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第三百八十五話 餌に飽き足らず
サウナで殺した死体をキメラの餌にしてからだ。
博士はだ。こんなことも言うのだった。
「では。次はじゃ」
「まだ何かされるんですか」
「うむ、死体は骨だけになった」
肉は全て食われてしまった。内蔵までだ。
「そしてその骨をどうするかじゃ」
「その骨を使って何をされるんですか?」
「スケルトンにする」
ロールプレイにングゲームによく出る敵だ。動く骸骨である。
「それにしてじゃ」
「町で暴れさせるんですね」
「とにかく暴走族やヤクザ者は好かん」
只の個人的感情としてだ。博士はそうした連中を嫌っているのだ。
「だからじゃ。そういった連中をじゃ」
「殺してから骨もですか」
「利用してやるのじゃ」
「何か残酷ですね」
「使えるものは何でも利用する」
博士のポリシーの一つでもある。
「そういうことじゃよ」
「骸骨を暴れさせる」
小田切君はそれを聞いて考える顔になった。
そのうえでだ。こう博士に言った。
「何かありきたりですね」
「そうかのう」
「博士ってもっととんでもないことするじゃないですか」
そもそもそうしたことをすることがライフワークなのだ。博士は簡単に言うと人を驚かせることが好きなのだ。それと気に入らない者を惨殺することもだ。
「それだけなんですか、今回は」
「ううむ、では止めておくか」
博士は考えたうえで述べた。
「他のやり方をしようぞ」
「そうするんですか」
「うむ、ではじゃ」
「骨は使うんですね」
「それは絶対に使う」
死んでもまだ骨まで利用される彼等だった。
「問題はどう使うじゃな」
「ううん、何かヤクザ者達が哀れになってきました」
小田切君は常識の立場からこう考えた。
「死んでもそうして利用されるなんて」
「わしの偉大な研究に貢献しておるのじゃよ」
「サウナに放り込んで殺すだけじゃなくですね」
しかも他愛のない実験でだ。何十人も殺したのだ。ただし博士にそのことについての罪悪感は一切ない。博士は罪悪感を知らないのだ。
「そうして骨までもというのか」
「よいよい、わしの偉大な発明に貢献してもらう」
「死んでもなんですね」
「死んでもじゃ」
こう話してだった。博士は骨の再利用について考えていくのだった。
第三百八十五話 完
2011・5・9
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