第三百七十八話
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第三百七十八話 音の使い方
六人がそれぞれのカップルで、その組み合わせもその都度変えながら魔法を考えていっているとであった。その中で美奈子が言うのだった。
「私の音って」
「どうしたの?美奈子」
華奈子が今組んでいる赤音と一緒に魔法を使いながら美奈子に問うた。美奈子は美奈子で梨花と組んでだ。彼女の音の魔法を出していた。
その彼女にだ。華奈子が問うたのだ。
「急にそんなこと言って」
「うん、音って使いにくいのかしら」
首を傾げさせながらの今の美奈子の言葉だった。
「目に見えないものだから」
「そう?あたしは別にそう思わないけれど」
「じゃあ違うっていうの?」
「何ていうかね」
一呼吸置いてからだ。華奈子は美奈子に話した。
「この場合見える見えないじゃなくて」
「そうじゃなくて?」
「相手と合わせるかどうかじゃないかしら」
そこが重要だというのだ。
「そうじゃないかしら」
「合わせることが」
「そうよ。美奈子の魔法って音楽からそれを表現したものが出るわよね」
例えば天使の曲を奏でれば天使が出る。それが美奈子の得意とする魔法だ。実は彼女と紫の魔女の関係は今も謎ということになっている。
「だからね」
「目に見えるから」
「少なくともわかるから」
こう話す華奈子だった。
「だからそれは別にね」
「いいのね」
「そう、だから大事なのはね」
「合わせること」
「そう思うけれどね、あたしは」
「そうね」
そして美奈子もだった。双子の相方の言葉にだ。
考える顔になってだ。そのうえで答えたのだった。
「じゃあ。見える見えないは考えなくて」
「そう、合わせること」
「それが大事なのね」
「その為に今こうして皆でやってるからね」
だからだ。余計にだと話してだった。
美奈子は晴れた顔になってだ。華奈子と今のパートナーの梨花に言った。
「それじゃああらためてね」
「ええ、宜しくね」
梨花が笑顔で応えたのだった。そうしてだ。
彼女の土と美奈子の音の魔法が一緒に出される。
それが何度も繰り返されていく。本当に何度も何度もだ。
他の面々もそれを続けていきだ。
この日は結局学校の下校時間ぎりぎりまで続けたのである。その日はグラウンドで、それからは塾でだ。彼女達はカップルになっての魔法を研究していった。
第三百七十八話 完
2011・4・13
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