第三百七十六話
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第三百七十六話 二人の修業の場
華奈子と美奈子も修業を決めた。そしてだ。
次は何処で修業するかだ。そこはというと。
「お家にする?」
「お家もいいけれど」
「他の場所がいいかしら」
「そう思うけれど」
美奈子が華奈子に話す。
「今学校だから」
「それじゃあ。ここでする?」
華奈子はここでも積極的に述べた。やはり彼女は行動派である。
「もうさ。グラウンドで」
「いいわね。それじゃあ」
「うん、ここでしよう」
「体操服に着替えてよね」
美奈子は服装について話した。華奈子に問うたのである。
「それでするのよね」
「法衣でもいいんじゃないかって思うけれど」
「学校にいるから」
それでだというのだ。この辺りは几帳面な美奈子である。華奈子と美奈子を比べるとだ。華奈子が行動的で美奈子が几帳面なのだ。
「それでね。体操服がいいわね」
「それじゃあ体操服に着替える?」
「そうしましょう」
こう話してだ。すぐにだった。
双子は体操服と半ズボンに着替えた。その姿でグラウンドに向かおうとする。しかしであった。
美奈子はだ。自分で言ったがそれでもだった。体操服になるとだ。
「運動は。やっぱり」
「前よりかなりよくなったじゃない」
「それでも。何か今一つなのよ」
こう言うのである。美奈子はまだ自分の運動神経に不安を感じているのだ。ちなみに華奈子の場合はそれがそのまま勉強になる。
「言いだしっぺは私だから仕方ないけれど」
「体操服に苦手意識あるのね」
「実は」
浮かない顔で答える美奈子だった。
「そうなのよ」
「服で運動する訳じゃないし」
「じゃあ気にしなくていいのね」38
「そう思うけれどね、あたしは」
二人並んで学校の廊下を歩きながらだ。華奈子は美奈子に話す。
「法衣だと思えばいいしね」
「法衣だと思えば」
「そう、体操服だけれど法衣って思えばね」
問題ないというのが華奈子の考えだ。その考えで美奈子に言うのである。
「それでいいじゃない」
「つまりは気の持ちようなの」
「そういうことだと思うけれどね」
「そう。じゃあ」
美奈子は華奈子のその言葉を受けて考えることにした。そうして気持ちをある意味において切り替えてだ。二人でグラウンドに出るのであった。
第三百七十八話 完
2011・4・5
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