第三百六十七話
[8]前話 [2]次話
第三百六十七話 博士とミルク
小田切君も牛乳を飲んでいた。そこにだ。
はた迷惑な研究を終えた博士が研究室から出て来てだ。そのうえで彼に尋ねたのだった。
「ふむ、牛乳を飲んでおるのか」
「ええ、実は好きなんです」
こうその博士に答える小田切君だった。
「ライゾウとタロにも買ってますよ」
「よいことじゃ。牛乳を飲むのはな」
それはいいことだと言う博士だった。
そのうえでだ。博士はこんなことも言った。
「身体によい。牛乳と野菜で生きることができる」
「ベジタリアンですね」
「野菜や果物だけでも不十分なのじゃ」
それだけではというのである。実は博士は栄養学にも造詣が深い。医学博士でもあるからそれも当然のことと言えばそうなる。
「乳製品も必要じゃ」
「牛乳もそうですね」
「そうじゃ。モンゴル人を見ることじゃ」
ここで博士が言ったのは言わずと知れた草原の民である。
「羊と乳製品だけで生きておるな」
「そういえば確かに」
「乳製品だけでかなりの栄養が得られるのじゃ」
よく言われることだがだ。それを博士も言ったのである。
「牛乳はよいものじゃ」
「そうですよね。カルシウムが豊富ですしね」
「わしも好きじゃしな」
ここでわかる博士の嗜好の一つだ。
「乳製品自体も好きじゃ」
「じゃあヨーグルトやチーズも」
「よいのう。ヨーグルトはデザートに最適じゃ」
まさにそれだというのだ。
「そしてチーズは欧州の料理には欠かせぬな」
「ですね。パスタにも上からかけて」
「あれがよいのじゃ」
パスタの味をさらによくするものの一つだ。パスタはそこにガーリックとチーズがあればだ。まさに無敵の料理となるのだ。
それを話してだ。博士は実際にだった。
「さて、そんな話をしておると」
「パスタですか」
「食べたくなったのう。トマトにオリーブ、ガーリックをたっぷり使ったパスタにじゃ」
そこにさらにだというのだ。
「粉チーズをかけてじゃ」
「それでいきますか」
「料理用ロボットに言っておこう」
博士の研究所ではそのロボットが料理を担当している。どんな料理でも作ることができる、かなり優秀なロボットなのである。博士の自信作の一つだ。
「夕食はそれじゃ」
「パスタは何にしますか?」
「スパゲティじゃな」
それだというのだった。
そしてそう話してだった。博士は小田切君にこう言った。
「わしも一杯貰えるかの」
「はい、どうぞ」
こうしてだった。博士はそのチーズをふりかけるパスタの前に牛乳を楽しんだ。そしてそれを食べてからであった。
第三百六十七話 完
2011・3・8
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ