第三百六十三話
[8]前話 [2]次話
第三百六十三話 二匹とミルク
ライゾウとタロがだ。小田切君に言っていた。
「今日はさ。お水とは別に」
「ミルクくれるかな」
「ミルク?牛乳かい?」
まずはこう考えた小田切君だった。
「それだったら冷蔵庫にあるから。すぐに出すけれど」
「いやいや、おいらは猫用のミルクじゃないと駄目なんだよ」
「僕は犬用でね」
「ミルクにも猫用とか犬用ってあるんだ」
「あるよ。ちゃんとな」
「だって。人間には人間のミルクがあるじゃない」
こう小田切君に話すのだった。
「それと同じだよ」
「だからね。僕達もね」
「それでなんだ」
「ペットショップに売ってるぜ」
「だから買って来て欲しいな」
「うん、わかったよ」
小田切君もだ。素直に頷くのだった。
「丁度僕もお昼買いに行くしね」
「お昼か」
「そういえばそんな時間だね」
「だからだよ。ちょっと買って来るよ」
こうしてだった。小田切君はだ。
自分の昼食を買うついでにだ。彼等のミルクも買うのであった。
ペットショップに行く。するとだ。
「ああ、猫用と犬用ですね」
「ありますか?それ」
「はい、両方共ありますよ」
店員さんは素直に答えるのだった。
「じゃあどの種類がいいですか?」
「どの種類って」
「色々な種類があるんですよ」
こうだ。笑顔で話す店員さんだった。素敵な顔立ちの若いお兄さんだ。同性愛者が見ればすぐに声をかけそうな。そんな美男子の店員さんだ。
その店員さんがだ。また小田切君に尋ねる。
「それでどれがいいですか?」
「ああ、適当でいいですよ」
何種類と言われるとわからないので。こう答える小田切君だった。
「まあ適当で」
「そうですか。それじゃあ」
こうしてだった。店員さんに任せてそのミルクをそれぞれ買った。
「どっちも粉でいいですよね」
「えっ、粉ミルクですか?」
「液体のミルクもありますけれど」
こう言うのであった。店員さんはだ。
「どっちにしますか?」
「粉もあるんですか」
小田切君はここではじめてそのことを知ったのであった。猫用のものも犬用のものもだ。どうやらかなりの種類があるようだと。そうも考えるのだった。
第三百六十三話 完
2011・2・23
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ