第三百六十一話
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第三百六十一話 煮はじめる
二人は牛乳を買ってだ。それからだった。
二人でだ。煮るのであった。
「さて、と。この牛乳を」
「三時間位煮るみたいね」
美奈子が華奈子に話す。
「大体それ位ね」
「ううん、時間かかるのね」
「それが蘇で」8
それからだというのだ。
「あとは酪、それに醍醐でね」
「とにかくじっくりと煮ていくのね」
「そうよ。ただここで大事なのは」
「何?その大事なのは」
「焦がさないことよ」
それが大事だというのである。
「それは気をつけてね」
「そういえば牛乳って焦げやすかったわね」
それを聞いてだ。華奈子はすぐに言った。
「そこが問題だったわね」
「そうよ。だからここはね」
「今度は何なの?」
「魔法でゆっくりとお料理をしましょう」
そうしてはとだった。美奈子は華奈子に提案した。
「そうすればどうかしら」
「ああ、牛乳を焦がさせない為にはいつもかき混ぜないといけないわね」
「そう。今みたいにね」
実際に二人は牛乳を常にへらでかき混ぜている。そうして焦げないようにしているのだ。そうした料理への知識も既に備えているのだ。
「それを魔法でね」
「いいわね、それ」
華奈子は美奈子の提案に笑顔で頷いた。そうしてであった。
二人はだ。へらを魔法で操りだした。
それで三時間程かき混ぜるとだ。するとだ。
牛乳がだ。姿形を変えた。それは。
「あれっ、何かこれって」
「そうよね。チーズみたいよね」36
「何かね」
そうしたものになってきたのだ。
「それかバターか」
「そんな感じよね」
「こうした食べ物なのかしら」
華奈子は魔法でへらをかき混ぜながら言う。
「蘇とかって」
「そうみたいね。じゃあ後は」
「三分の一は置いていてね」
「それを蘇にしてよね」
「残りを酪と醍醐にしていく感じね」
「そうなるわね」
こうして二人は少しずつその形作られていくものを置いていって冷蔵庫で冷やしていく。そうして古来の乳製品を作っていくのであった。
第三百六十一話 完
2011・2・14
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