第三百六十話
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第三百六十話 日本の乳製品
二人はまず本で調べることからはじめるのだった。その日本に昔あったという乳製品のことをだ。はじめるのはそこからなのだった。
二人で図書館で本を開いているとだ。そうしたものがあった。
「ふうん、醍醐とか酪とかっていうのがあるのね」
「そうね」
その名前を読んで二人で話す。大学の図書館はかなり広い。その中の一席に二人集まってだ。そのうえで図鑑やそういったものを開いているのだ。
「何か色々あるみたいだけれど」
「そうね。何か作り方は」
一番大事なそれについて調べる。するとわかったことは。
「牛乳を煮ていくのね」
「そうね。それで」
「ええと、牛乳から酪っていうのになるのね」
まずは華奈子が言った。
「煮ていくうちに」
「そうね。それで酪をさらに煮て」
「酥っていうのができるのね」
「そうみたいね」
美奈子は真剣な顔で華奈子のその言葉に頷く。
「じゃあ酪とか酥ってあっためた牛乳やチーズやバターみたいなものかしら」
「ううん、そうなのかな」
「どうなのかしらね」
二人共そういったものがどんなものか今一つ想像がつかなかった。ただ牛乳を煮ていくことだけはわかった。そしてその煮方はというとだ。
「ゆっくりとかきあげながら煮ていくのね」
「へらとかそういうのでね」
「それもずっとそうしないといけないみたいね」
「牛乳って焦げつきやすいからね」
牛乳のこの問題点についても話される。
「そこは注意して、みたいね」
「そうね」
華奈子は美奈子のその言葉に頷いた。
「じゃあ酪は」
「練乳かしらね」
「それで酥はバターかチーズ?」
「そんなところかしら」
「それで醍醐がバターオイルかしら」
こう二人で考えていく。
「そんな感じの食べ物なのかしら」
「そうかも。何か酥は牛乳を煮た時に上にできる膜を重ねたものとも書いてるわね」
「あっ、そうね」
華奈子はまた美奈子の言葉に頷く。本のそのことが書いてある部分を見ながらだ。
「じゃあチーズなのかしら」
「それに近いみたいね」
「どっちにしろ牛乳を煮て作るのはね」
「どれも一緒よね」
「それは間違いないみたいね」
このことは確実に言えた。そしてだ。
二人はだ。あらためて話していく。
「牛乳を煮ていってね」
「どれもそうして作っていくのね」
それはわかったのだった。後は本の大事なところを美奈子がノートに書き写した。そのうえで図書館を後にしてだ。スーパーで牛乳を買うのだった。料理に使う為に。
第三百六十話 完
2011・2・8
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