第三百五十四話
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第三百五十四話 毎日していると
美奈子は華奈子と共に毎日トレーニングを続けた。すると。
「何か少しずつだけれど」
「違ってきたでしょ」
「ええ、長い距離を走られるようになったし」
まずはそこからだった。二人は今ランニングを終わって少し休憩しているところだ。
「それに」
「走るの自体が速くなってきたでしょ」
「ええ、確かにね」
「毎日走ってるからよ」
そのせいでだと話す華奈子だった。
「だからなのよ」
「本当に続けていたら、なのね」
「そういうこと。継続は力なりよ」
華奈子はにこにことした顔になっている。
「あたしの言った通りでしょ」
「確かにね。それに」
「それに?」
「何かこうしてトレーニングしてると」
どうなってきたのか。美奈子は華奈子にこのことも話すのだった。
「勉強の能率もあがってきたし」
「あっ、そうなんだ」
「ストレスが発散されてるせいかしら」
こう分析する美奈子だった。
「そのお陰でね。勉強も能率がね」
「あたしそれはわからないけれど」
いつも身体を動かしているからである。華奈子の場合はそれがいつもだから気付かないのだ。普段からしていれば同じだからである。
「そうなんだ」
「そうみたいね。それにね」
「それに?」
「ダンスの身体の動きもよくなってきたし」
次に言ったのはこのことだった。
「身体をいつも動かしてるとそうなるのね」
「ううん、あたしそれもわからないけれど」
やはり身体をいつも動かしているからだ。いつもならば本当にわからない。
「そうなのね」
「そうよ。まあとにかくね」
「うん、とにかく?」
「私これからもこのトレーニング続けるから」
笑顔で華奈子に言うのだった。
「いいことばかりだからね」
「そう。じゃあこれから毎日二人でね」
「ええ、頑張りましょう」
二人で誓い合う。そしてであった。華奈子はそのうえでこんなことを言うのであった。
「こうして身体を動かした後は」
「まだ何かあるの?」
「食べ物が美味しいのよね」
「それはそうね。けれど」
「けれど?」
「そこで食べ物が出て来るのが華奈子なのね」
こう言って双子の相方の顔を見て困ったような、それでいて暖かい笑顔になるのだった。美奈子はそんな華奈子といつも一緒にいるのである。
第三百五十四話 完
2011・1・17
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