第三百五十三話
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第三百五十三話 ランニングは
二人はランニングをはじめた。しかしだ。
はじめてすぐにだ。美奈子は肩で息をしてしまいだ。一歩も動けなくなった。
「も、もう駄目・・・・・・」
「えっ、もうなの?」
「だって。私運動神経ないから」
「これは体力だけれど?」
「それでもよ」
駄目だというのだった。美奈子は本当に辛そうな顔で華奈子に話す。
「もう限界なのよ」
「ううん、じゃあ仕方ないわね」
それを聞いてだ。華奈子も諦めて言うのだった。
「毎日少しずつするのが大事だし」
「それがなの」
「そう、継続は力なりって言うじゃない」
珍しく華奈子が教訓を言っていた。美奈子ではなくだ。そしてその上でまた言う華奈子だった。
「だから今日はね」
「わかったわ。それじゃあ」
「あたしはこれからもっと走るけれどね」
華奈子は明るい顔で言った。
「それじゃあね」
「えっ、まだ走るの?」
「そうよ。まだまだこれからよ」
にこりと笑っての言葉だった。
「だからね」
「華奈子は違うのね」
美奈子は溜息混じりにこう華奈子に言った。
「体力が」
「まあいつも身体を動かしてるからね」
「泳ぎだって上手いし」
「スポーツだったら何でもいけるから」
ここでもにこりと笑う華奈子だった。
「だからそれはね」
「ううん、やっぱり凄いわ」
「凄くないわよ。美奈子も毎日やっていればね」
「華奈子みたいになるっていうの?」
「そう、なれるわよ」
「なれるかしら」
そう言われてもだった。美奈子は半信半疑どころか九分まで疑っている。いぶかしむ顔になってそのうえで首を傾げさせる程である。
「私が」
「だから毎日やればね」
「華奈子みたいになのね」
「あたしだって毎日勉強してるじゃない」
華奈子は自分のことも話した。
「それでできるようになってきたでしょ」
「言われてみれば」
「高校も大学も美奈子と一緒にいたいしね。だからね」
「そうね。私も華奈子と一緒にいたいしね」
そう言われるとであった。美奈子も確かな顔で頷くことができたのであった。
そうしてそのうえで、だった。
二人は今日はランニングはこれで終わった。しかしそれから毎日ランニング、そして筋力トレーニングをするのだった。本当に毎日である。
第三百五十三話 完
2011・1・17
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