第三十四話
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第三十四話 遊園地へ行く前に
「さてと」
博士がいなくなり暇になった華奈子達は遊園地で遊ぶことにした。華奈子は美奈子と二人で遊園地に持って行くお弁当のことを考えていた。
「何作る?」
「そうね」
美奈子がそれに応える。彼女は彼女で考えていた。
「お握りなんてどうかしら」
「悪くないわね」
華奈子はそれに頷いてきた。こうした場合の定番であり確かに悪くはない。
「それじゃあそれにする?」
「そうね。けれど」
しかしここで美奈子はあることを考えていた。
「ただ普通のお握りじゃ面白くないわね」
「普通のじゃ?」
「ほら、おかかとか昆布とか梅干とか」
やはり中身も定番であった。
「普通にやっても。あれでしょ」
「面白くないと」
「折角だから面白くいきましょうよ」
美奈子は言う。
「こう派手にね」
「それじゃあさ」
華奈子はそれに応えて言ってきた。
「馬鹿でかい爆弾みたいなお握りどう?」
「爆弾みたいな?」
「そう。とんでもなく大きなボールみたいなお握りを作ってそれを海苔で巻いて」
「具は?」
「何でも」
また提案してきた。
「梅干でもタラコでも海老天でも何でも入れて。どう?」
「そうね」
美奈子もそれに乗り気な顔を見せてきた。言われてみれば悪くはない。
「若布とか大豆とか麦入れたのとかでもいいし」
「それもいいわね」
何か考えれば考える程いい。美奈子もそれに乗ってきた。
「それじゃあそれで行く?」
「ええ。それじゃあ決まりね」
こうしてお握りを作ることになった。しかし問題はまだあった。
「けれど華奈子」
美奈子はふと思い出したように華奈子に言ってきた。
「何?」
「持ち運び結構大変そうね」
「まあそれはね」
少し苦笑いを述べて双子の相方に応える。
「食べれば楽になるわよ。きっと」
「あっきれた」
美奈子はそれを聞いて本当に呆れたような顔を見せてきた。
「それまでは辛いわよ」
「まあまあ。いいじゃない」
しかし美奈子も何だかんだで納得した。何はともあれお握りが決まったのであった。
第三十四話 完
2007・5・9
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