第三百三十五話
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第三百三十五話 サックスのリズム
華奈子は華奈子で毎日サックスと魔法の勉強を続けていた。毎日どちらもかなりの時間をかけて必死に勉強を続けているのだった。
そんな彼女を見てだ。タロとライゾウが言う。
「学校の勉強もここまで熱心なら」
「いいんだけれどな」
「こらっ、言うのはそこなのっ」
その彼等にだ。華奈子はむっとした顔で言うのだった。
「何でそこなのよ」
「いや、御主人学校の勉強はぱっとしないから」
「最近悪いってところまではいかないけれどさ」
「学校の勉強はある程度でいいのよ」
これが華奈子の主張だった。
「それはね。ある程度でね」
「いいんだ」
「そっちは」
「そうよ。一夜漬けでどうとでもなるし」
実際にそうしている華奈子だった。この辺りは美奈子と違うのだった。
「けれど魔法とかサックスはそうはいかないじゃない」
「継続は力なり」
「そういうことなんだ」
「そういうこと。わかったわね」
胸を張ってまで言うのだった。
「だからどっちも毎日やってるのよ」
「そういえば御主人、そのサックスだけれど」
「最近リズムがおかしくないかい?」
こう華奈子に話す彼等だった。
「少しだけだけれどテンポが遅いよ」
「そこ、気をつけないとな」
「うっ、そうなの」
言われてはじめて気付く彼女だった。実際に言われないとわからないこともある。彼女にとっては今がまさにそれだったのである。
それでだ。あらためて考える顔になり二匹に話す。
「じゃあもっと練習しないとね」
「いや、一人でやっても」
「限界があるだろ」
今度はこう言う二匹だった。
「だからここはだよ」
「他のクラウンのメンバーと一緒に練習したらどうだい?」
「一緒にね」
それを聞いてだ。華奈子も考える顔になった。
そして暫く考えてからだ。こう言うのであった。
「それじゃあね」
「うん、それじゃあ」
「誰と練習するんだよ」
「誰としようかしら」
実はそこまでは考えていない彼女だった。
「一体全体」
「まずはそこからだね」
「誰にするかだよな」
タロとライゾウも言う。この問題もあるのだった。
第三百三十五話 完
2010・11・17
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