第三百三十四話
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第三百三十四話 フルートとサックス
自分の練習をした次の日にだ。美奈子は華奈子に対して提案した。
「ねえ」
「何かあったの?」
「今日あんた暇よね」
まずはこのことから尋ねた。
「そうよね、確か」
「一応はね」
その通りだと返す華奈子だった。
「それで何かするのね」
「練習しない?サックスの」
「あっ、それであんたはフルートで」
華奈子もここでわかったのだった。
「二人で練習しようってことね」
「どうかしら、それは」
「そうね。いいわね」
華奈子は楽しげな笑みを浮かべて美奈子の提案に頷いた。彼女にしても美奈子のその提案はいいものだったのである。その理由も話す彼女だった。
「実はあたしもね」
「華奈子も?」
「そうなの、あたしだけでサックスの練習してもね」
それだけではというのだ。
「どうもね。今一つね」
「足りないって思ったのね」
「あたしがサックスで美奈子がフルートじゃない」
「ええ」
「じゃあ二人一緒じゃないと駄目でしょ」
まさに美奈子と同じ主張だった。
「そうでしょ。だからね」
「渡りに舟だったのね」
「そういうことよ」
今度はにこりと笑って答える華奈子だった。
「そういうことだからね」
「それじゃあね」
「ええ、練習しよう」
華奈子は今はっきりと言った。
「二人でね」
「それじゃあお家に帰ったらすぐにね」
「そうしましょう」
こうしてだった。家で二人で練習したのだった。
その結果だ。二人はわかったのだった。
「やっぱり一人で練習してもね」
「そうね」
「限度があるわね」
わかったのはこのことだった。
「やっぱり二人でやらないとね」
「中々わからないわね」
「ええ、本当にね」
二人で話す。
「じゃあこれからも時間できたらね」
「一緒に練習しようね」
こう二人で約束するのだった。美奈子も華奈子もお互いに学ぶことの多い練習だった。やはり一人より二人なのが彼女達だった。
第三百三十四話 完
2010・11・7
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