第三百二十八話
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第三百二十八話 汚れる街
「う、うわああああああっ!!」
「ぎゃああああああっ!!」
街で断末魔が木霊する。あちこちでロボット達に虐殺される不良や暴走族やヤクザといった面々がだ。生きながら引き裂かれ食い千切られているのだ。
腕が飛び首がねじ切られる。そうした掃除が今街で行われているのだ。
博士も自ら街に出てだ。積極的に掃除を行っている。その車椅子であるテロ支援国家の関連組織のビルを車椅子から放つビームで攻撃しているのだ。
そのうえでだ。こう言うのだった。
「よいぞよいぞ」
「これが掃除なんですか」
小田切君はそのビルに車椅子に乗ったまま無差別攻撃を仕掛ける博士に横から尋ねた。
「これが」
「その通りじゃ」
「破壊活動じゃないんですか、これって」
小田切君は常識から尋ねた。
「どう見ても掃除じゃ」
「ゴミを掃除しておるのじゃぞ」
当然気に入らない人間がゴミだというのだ。
「それの何処が掃除じゃないのじゃ」
「そう思ってるんですね」
「確信しておる」
実際にビルから出て来た人間もどんどん射殺していく。車椅子からマシンガンの銃撃まで行われているのだ。
「何処が掃除ではないのじゃ」
「何か博士らしいですね」
小田切君は博士の居直りにこう言うしかなかった。
「本当に」
「納得してくれたのう」
「そうじゃないと博士と一緒にいられませんから」
また言う小田切君だった。
「ですから」
「ふむ、左様か」
「左様ですね。それでなんですけれど」
「うむ、今度は何じゃ」
「とりあえずあのビルはどうするんですか?」
博士が今車椅子で攻撃しているそのテロ支援国家のビルのことである。
「やっぱりあれですか」
「破壊するぞ。跡形もなくな」
「そうなんですね。それじゃあ」
「当然中におる連中も皆殺しじゃ」
博士は人を殺すことを何とも思っていない。嫌いな人間はどんどん殺していくか生体実験に使うのが常である。それが博士なのだ。
「テロ国家の連中なぞな」
「まあ普通にあのビルに武器が隠されてるって噂もありますしね」
「そういう姑息な奴や小悪党は好かん。だから殺すのじゃ」
「それでいつもそういった連中殺していたんですね」
ここではじめてわかったことだった。
「だからなんですか」
「うむ、その通りじゃ」
こう話してであった。
博士は遂にビルを破壊したのだった。止めには何と総攻撃だった。ミサイルも全て放ってだ。草一本残らないまでにしてしまった。
第三百二十八話 完
2010・10・20
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