第三百十九話
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第三百十九話 博士の研究の続き
先生達が仕掛けようとしている時だ。博士は。
また研究室に入ってだ。何かをしていた。
「何してるんだろうね」
「さあ。また生首増やすんじゃないのか?」
ライゾウがタロに答える。
「それじゃないのか?」
「そうかな、それかな」
「そう思うんだけれどな」
「どうだろうね」
その彼等に小田切君が言ってきた。
「気まぐれな人だから別のことするかもね」
「別のことっていったら」
「具体的に何なんだろうな」
「さあ。何するかわからない人だしね」
とにかくありとあらゆる意味で危険な博士である。
そしてだ。その博士が研究室から出て来たのであった。そしてそのうえで最初に言った言葉はこうしたものであったのだった。
「よし、できたぞ」
「できたんですか」
「うむ、新しい発明じゃ」
こう言うのであった。
「今度はガムじゃ」
「ガム、ですか」
「わしはガムが好きでのう」
まずは自分の好みから話す。
「それで作ったのじゃ」
「何か普通ですね」
「噛むと眠気が取れるガムじゃ」
やはり普通である。
「コーヒー味のな」
「あっ、それいいですね」
コーヒー味のガムと聞いてだ。小田切君は思わず声をあげてしまった。
「コーヒー味のガムって」
「むっ、そうしたガムは好きか」
「ええ、大好きなんですよ」
笑顔で言う。
「それじゃあよかったらですけれど」
「食べたいのか」
「ええ、駄目ですか?」
「いや、いいぞ」
こう返す博士だった。
「むしろ是非食べてくれ」
「はい、それでどれですか?」
「これじゃ」
こう言って一枚のガムを出してきたのだった。
外見は何の変哲もないガムだ。色はミルクコーヒーの色をしている。あのコーヒーガムをそのまま再現した。実にいい色である。
小田切君はそれを手に取ってだ。口の中に入れた。
「どんな味かな」
期待していた。その期待はどうなるかはまだ誰も知らなかった。
第三百十九話 完
2010・9・23
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