第三百十一話
[8]前話 [2]次話
第三百十一話 食事の後から
そうめんに西瓜を食べてだ。それからだった。
「それじゃあ今日子ちゃん」
「ええ、香ちゃん」
先生達が顔を見合わせていた。
「はじめる?」
「そうね。お昼も食べたし」
「えっ、はじめるって」
「まさか」
「そうよ、まさかよ」
こう六人にも話してきた。
「これからちょっとね」
「生首と身体を収めてくるから」
造作もない感じの言葉だった。
「それじゃあ皆は」
「ちょっといいかしら」
「ちょっとって」
「私達は一体何を」
華奈子と美奈子が先生達に問う。するとであった。
先生達はだ。こう答えるのだった。
「楽器を演奏して」
「それに魔法を入れてね」
「それだけですか?」
「それだけなんですか?」
六人は今の先生達の言葉に怪訝な顔で返した。
「あの、何か大騒動になってるんですけれど」
「いつものことですけれど」
博士が起こす騒動は常に大騒動である。博士はそうした騒動を起こすこともまた趣味にしているのである。趣味は他にもあるがだ。
「私達は音楽だけって」
「何か」
「今回のメインは先生達がしますよ」
「そういうことです」
ここでもにこりと笑って話す先生達だった。
「では皆さん、いいですね」
「今からはじめましょう」
「ううん、どうなるかな」
「今回は」
六人は正直予想ができなくなっていた。
「何が起こるかわからないのはいつもだけれど」
「今回もね」
「そうよね」
「先生達が何をするか」
「そしてどうなるか」
かなり不安に思っていた。しかしその先生達はというと。
「それじゃあ行きますよ」
「いいですね」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
それでも先生達の言葉には素直に頷くのだった。確かに不安を感じてはいた。しかしそれでも先生達への信頼はだ。絶対のものがあった。
第三百十一話 完
2010・8・25
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ