第三話
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第三話 打ち合わせ
華奈子と美奈子は自宅で打ち合わせをしていた。テーマは当然その博士のことである。
二人は彼女達の部屋にいた。そこでお菓子とジュースを飲みながら話をしていた。
「それでさ」
最初に口を開いたのは華奈子であった。彼女はクッキーをぽりぽりと食べている。
「まずはその博士が何者かよね」
「それならもうある程度は調べてあるわ」
「そうなの」
「といっても私じゃないけれど」
美奈子はこう断ってきた。
「あんたじゃないの」
「そう。美樹ちゃんがね」
「ああ、ビルガーとファルケンでね」
「そういうこと」
美樹の使い魔のジュウシマツとインコである。二羽は空を飛べる為こういうことにはおあつらえ向きなのである。
「まあ詳しいことは美樹ちゃんの方がよく知ってるけれど」
「ええ」
そのうえで話をさらに進める。
「天本破天荒博士ね。経歴は滅茶苦茶ね」
「滅茶苦茶なの」
「そう、滅茶苦茶」
美奈子はそこをやけに強調する。
「お医者さんもできるらしいし科学者でもあるんだって」
「ふうん。それだったら普通じゃないの?」
とりあえずここまではありそうな話である。だがここからが全然ありそうにない話になってしまう。
「あと錬金術に魔術もやってて他にもロボット工学とか電子力学とか物理学とかも専門家だそうよ」
「あまり普通じゃなくなってきたわね」
「それでモンスターを改造したり動物を巨大化させたり自衛隊真っ青の兵器を開発するのが趣味らしいわ」
「・・・・・・何でそんな人が野放しなの?」
華奈子もここまで聞いて言葉を失った。まともどころか取締りの対象にならない方がおかしいからだ。
「滅茶苦茶じゃない」
「だからよ」
美奈子も言う。
「警察も自衛隊もいい加減手を焼いてね。私達にって」
「どっかの科学戦隊が相手にした方がいい人ね」
「だから私達に話が回ってきたのよ」
美奈子はそう答える。
「わかったかしら」
「わかりたくないわね」
珍しく華奈子は強気ではない言葉を述べる。というよりは苦笑いを浮かべていた。
「それでね」
美奈子はそんな華奈子にさらに話を続ける。
「魔法で対抗するわけなの」
「何か無茶苦茶な話ね」
「けれど受けるんでしょ」
「それはね」
最初から断るつもりはなかった。だから今こうして打ち合わせをしているのだ。
「絶対にやるわ」
「そう言うと思ったわ。それでね」
美奈子は華奈子のその言葉を聞いて話をさらに進める。
「その博士の写真」
「ふうん」
「あれっ」
「これって」
横にいたタロとライゾウが写真を見る。彼等はその写真を見て声をあげたのであった。それは何故なのか。
第三話 完
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