第二百九十六話
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第二百九十六話 六人も見て
「博士ね」
「そうね」
華奈子と美奈子はテレビの中で動き回る生首と身体を見てだ。すぐに確信した。
「それ以外にこんなことやる人なんて」
「いないから」
実際にだ。テレビのアナウンサー達も言っていた。
「またしても天本博士です」
「今度はこんなことをしてくれました」
実況しているすぐ側にもだ。生首が恐ろしい表情で飛んで来る。
そして首のない身体が団体で徘徊する。実に恐ろしい姿だ。
市民達はその生首や身体から逃げ回るだけだった。それを見ればであった。
「どうする?これ」
「どうするって?」
「だから。放っておくわけにはいかないでしょ」
華奈子はこう美奈子に対して言うのである。
「こうした時こそあたし達じゃない」
「いつも通りね」
「そう、いつも通り」
まさにそれであった。
「いつも通りね。何とかしないと」
「確かに。それじゃあまた」
「皆も呼んでね」
「ええ、そうしないと」
そしてであった。皆も集めることになった。
携帯で連絡するとだ。皆知っていた。華奈子はその返ってきたメールを見ながら美奈子に対して話す。ここまでの流れは実に速い。
「皆知ってるわよ」
「やっぱりそうなの」
「そうよね、これだけの騒ぎだし」
「知らない方がおかしいわよ」
美奈子はこうも話した。
「実際ね」
「そうよね、やっぱり」
華奈子もそれに頷く。まさにその通りだった。
そしてだ。また話すのだった。
「集まる場所は何処にするの?」
「そうね。塾がいいわね」
「今田先生にもお話してなのね」
「ええ、そうよ」
その為だというのだった。そうしてだ。
二人が箒で塾に行くとだ。皆も後ろから来ていた。
「華奈子ちゃん、美奈子ちゃん」
「じゃあすぐにね」
「話し合ってそれで」
「決めましょう」
皆それぞれ箒から降りて話す。六人共もう魔女の法衣を着ている。
そして六人揃ってだ。塾に入る。
「先生、いいですか?」
「生首と身体のことですけれど」
また彼女達と博士の戦いがはじまる。今度もまた賑やかなものとなるのであった。
第二百九十六話 完
2010・6・5
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