第二百九十二話
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第二百九十二話 開発完了
小田切君は定時になりその日は博士の研究所に泊まることにした。実は警護用というか明らかに殺人用のロボットやマシンが二十体以上研究所の内外を徘徊していて警護は万全なのだ。
だがこの日は次の日が休みということもありだ。そうすることにしたのだ。
「それじゃあ今日は」
「ああ、飲むか」
「そうする?」
博士の代わりにライゾウとタロが出て来て酒を誘ってきた。
「ワインあるしな」
「それにビールも」
「そうだね。じゃあお風呂に入ってすっきりとして」
それからだというのだった。
「洗濯もしてね。そうしてからだね」
「ああ、そうするか」
「それじゃあね」
「お風呂に入ってくるよ」
まずはそれなのだった。
「それじゃあね」
「ああ、じゃあな」
「行って来て」
小田切君は二匹に応えて実際に風呂に入った。それからだった。
そのうえでだ。部屋に戻るともうワインとビール、それにつまみが用意されていた。つまみはチーズにソーセージといったものだった。
「あっ、いいね」
「ああ、組み合わせを考えてな」
「用意したんだ」
二匹はテーブルの傍にちゃんと座っていた。しかも座布団の上にだ。
「じゃあ飲もうか」
「今夜はじっくりとね」
「そうだね。しかし博士はね」
テーブルの席に座ってそのうえで飲みはじめながらだ。小田切君は言うのだった。
「研究はじめたらそれに没頭するからね」
「おいら達はそれを見ているだけだからね」
「本当に」
「僕がやってるのって結構簡単な仕事ばかりなんだよね」
むしろ秘書と言ってもいい。実は空いている時間もかなり多いのでその余暇を利用してそれで実際に秘書の資格も手に入れていたりもしているのだ。
「まあ博士に巻き込まれたこともあるけれど」
「それはそれだよな」
「諦めるしかないね」
「そうだけれどね。じゃあ今日はここにいるからさ」
「ああ、飲もうぜ」
「楽しくね」
こんな話をしながらかなり飲んだ。そのうえで布団の中に入って二匹と一緒に寝た。その次の日に二日酔いで痛む頭で起きてみるとだ。目の前に化け物がいた。
両手が回転ノコギリでだ。青い身体にあちこち首がついた不気味な長い髪の口裂け女の顔のマシンがだ。彼の前に立っていたのだ。
小田切君はそれを見てだ。冷静に返した。
「これですね」
「うむ、これで気に入らん奴等に恐怖を与えそのうえで首を断ち切ってやるのじゃよ」
博士がその凶悪なマシンの横で言うのだった。
「これからまた楽しくなるぞ」
「はあ。そうですか」
とりあえず酒を抜きにランニングに出る小田切君だった。すっかり慣れている彼だった。ランニングの後の風呂で完全に二日酔いは消えてしまった。
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